【最古参が新天地へ】南海6000系が大井川鐵道に譲渡!C#6016陸送

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2020年7月7日から10日にかけて、南海電気鉄道の6000系が大井川鐵道の新金谷駅に向けて輸送されました。
一部のファンでは噂のあった譲渡が現実のものとなりました。製造から半世紀を超えた車両が譲渡される意外な展開と大井川鐵道の現状を解説します。

南海では置き換えが進行中

南海6000系は、日本初のオールステンレス車体を採用した20メートル級車両として1962年に登場しました。1969年まで72両が製造され、高野線専用として活躍しています。方向転換を含む複雑な組み換え、台車の履き替えなど様々な工事を実施しながら、2019年まで廃車を出すことなく活躍してきました。

南海最古参の車両、また唯一の片扉の通勤車として活躍している6000系ですが、2018年2月末に発表された中期経営計画で置き換えが発表され、2019年11月から高野線に8300系の投入開始と共に廃車が発生しています。2020年7月7日現在、4両4編成と2両1編成の18両が廃車となっています。

譲渡用の改造は最小限?

今回輸送された6905Fは2両編成で運行していましたが、廃車後には2020年1月に千代田工場から大阪府内の工場に陸送されていました。廃車解体とは異なる動きから、何らかの動きがあると噂されていました。

半年の間に何らかの工事が実施されたようですが、外観からは連結器が密着連結器に交換された以外の変化は確認できません。

内装については、ロングシートが維持されているのが確認できます。大井川鐵道ではワンマン運転を実施しているため、ワンマン機器の追加が必要ですが、それについては確認ができていません。

2020年7月10日現在、大井川鐵道に到着したのはC#6016のみですが、残るC#6905についても近いうちに陸送が実施されそうです。

経年車譲渡のカギはステンレス?

譲渡車両としてはかなりの経年車ですが、ステンレス車体でメンテナンス性に優れていることが取得のカギとなったようです。また、大量に廃車が発生していることも部品供給の面でメリットとなりそうです。

南海6000系と同じ東急車輌の1962年製の車両として、京王3000系と東急7000系があります。どちらも地方私鉄で現役であること、特に東急7000系の更新車である7700系は養老鉄道への譲渡が実現したことから、この年代のステンレス車は相当頑丈に作ってあるようですね。

大井川鐵道の車両事情

現在の大井川鐵道には、元南海21000系が2両2編成、元近鉄16000系が2両2編成、元東急車で廃止となった十和田観光鉄道から移籍した7200系が1両2編成の、1両2編成と2両4編成が在籍しています。ただし、16000系の16002Fは2019年3月を最後に運用入りをしておらず、休車状態となっています。

運用可能な車両としては2両が4編成(7200系を併結した場合)となっています。それに対して定期運用は3運用で、きかんしゃトーマス運行時に臨時電車急行を運行すると予備車がなくなる事態が発生します。また、検査の都合で所要数が揃わないこともあるようです。

実際、イベント開催時にも関わらず7200系が単行で運行したり、電車急行の代走として客車急行を運行したりと、ギリギリの運用を行ったことがあります。

6000系の入線により、現在の電車にも変化があるかもしれません。7200系は入線から日が浅いことから、16000系か21000系に動きがあることが予想されます

6905Fの運用開始までは時間がかかりそうですが、高野線で活躍した21000系との再会やSLとの共演など、新天地での活躍が楽しみです。

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コメント

  1. より交 より:

    最初から2両編成。
    走行機器は無改造で導入可能なのも、導入理由になるのかと。