【計画変更か】小田急1000形に初の廃車?1081Fの一部が解体準備進行中

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小田急電鉄では、ワイドドア車を除いた1000形に対してリニューアルを進めてきました。

開始時点でワイドドア車36両以外の160両という具体的な両数まで公式発表されていたものの、2020年6月30日を以って1081F(1081×8)が定期運用を離脱。編成中の先頭付随車・中間電動車の計6両に対して、解体に向けた準備が進められています。

この編成は登場時から小田急1000形では唯一8両固定編成となっており、ファンからの人気が熱い車両でした。

(小田急電鉄の編成表記は新宿方先頭車×両数が正確ですが、便宜的に〜Fで記載しています)

1000形と小田急の変化

小田急1000形は、9000形に次ぐ2代目の地下鉄千代田線直通運用を主目的として1988年(昭和63年)から投入された形式です。

4両×25編成(ワイドドア車6編成)・6両×8編成(ワイドドア車2編成)・8両×1編成・10両×4編成と196両が製造されました。

2004年にワイドドアの4両編成は6両編成への組み替えを実施、4両×19編成・6両×12編成(ワイドドア車6編成)・8両×1編成・10両×4編成の布陣となり、6+4両の分割併合運用や地下鉄直通運用、4+4両の各駅停車運用など幅広い活躍をしていました。

小田急電鉄では、2008年の「湯本急行」運行終了・2012年の増解結運用終了以降、10両固定編成への移行が進められてきました。当時製造中だった3000形の6両編成を一部10両化しているほか、三代目の地下鉄千代田線直通を主目的に開発された4000形は全編成が10両固定編成となっています。なお、4000形の登場により、それ以降1000形は線内での運行に留まっています。

これに加え、長年に渡り工事が進められていた連続立体交差化事業が済み、他駅の改良も含めて新宿口各駅停車の10両化対応も完了。早速そのキャパシティを生かして深刻だった混雑の改善に至っています。これについても3000形の8両固定編成は2019年に10両化用の増備が行われており、8両のまま残される格好となる1000形・2000形の今後に注目が集まっていました。

1000形リニューアルの当初計画

分割併合運用終了・近年の各駅停車の10両化の動きを受け、1000形についても機器更新・リニューアルとともに若干の変化が生まれました。

リニューアルにあわせて6+4両で活躍していた2ペアが2016年度に10両固定編成化を行なっています。

これ以降は明確な動きはなかったものの、残りのリニューアル対象であった6両編成は同様の動きが想定されていたためか、それ以降は後期製造の4両編成・10両固定編成の単独リニューアルのみが進行していました。

唯一動向が不明であった8両固定編成の1081Fについては、ファンからの推測では4両編成3本と組み合わせることで10両固定編成を2本仕立てるのではないか?という見方が有力でした。

小田急1000形の走行機器構成は比較的シンプルで、いわゆる1M電動車が連なる方式でMT比(電動車と付随車の比率)が1:1となる編成構成です。このため、電動車と付随車1両ずつを抜き差しすることで容易に編成組み替えが可能となっています。

1081Fから2両抜き取って4両編成と合わせる格好で6両編成を2本とすれば、ホームドア非対応のワイドドア車や、界磁チョッパのまま残されていた8000形2編成を代替可能。更に4両編成と組み合わせて10両固定編成化……とすれば、従来の10両固定化改造車とほぼ同一の車両が仕立てられます。

歴代の車両同様に、将来的な編成組み替えが用意な小田急車らしい構成を踏襲している点が2000形以降との大きな違いでした。10両化に熱心だった最近までの動向を考えると、このような何らかの方法で10両固定編成比率向上を目指す動きが生じるものと思われていました

何らかの計画変更?5000形追加増備?1081×8の電撃引退

既に160両のリニューアルを公言していた以上、今回1000形の非ワイドドア車で初めて廃車とみられる車両が発生したことから、それ以降のどこかのタイミングで計画に変更が加えられた可能性が非常に高い動静です。

2020年春には前年の踏切事故当該車両であった8264F(8264×6)も除籍されており、2019年〜2020年ごろのどこかでこれらの変更があったのでしょうか。

小田急電鉄では2018年時点で、2019年度に1編成・2020年度に5編成の5000形投入を明らかにしていました。

5000形の2020年度増備車5052×10(5052F)が川崎重工業から搬入されているほか、まもなく初の総合車両製作所製も登場予定です。

最近の有価証券報告書などを見ると、5000形は更なる増備がされることが推測できます(1編成あたりの金額が公表されていないため、正確な数は予測不可能)。

以前から廃車対象とみて差し支えなかった8000形チョッパ車6両2編成・1000形ワイドドア車6両6編成以外にも置き換えを進めることとなり、リニューアルを施した8000形より先に機器更新コストが掛かる1000形淘汰を進める方向となったのかもしれません。

異端車両が短命に終わるのは大手ではよくある事例ですが、唯一自動放送を搭載・8両編成の1081Fも薄命に終わってしまいました

異例の動きで今後に注目

利用者としては、大幅な線路容量拡大をフルに生かし、10両編成列車の増加で輸送力向上をして欲しいのが本音でしょうか。

他社事例を見ても珍しい、中間付随車(サハ)のみを再利用する転用となっていますが、ファンの推測として有力なのは次回の10両固定編成化をする際の再利用が挙げられます。

従来リニューアル工事の際、2ペアに対して先頭車の中間車化改造を施工していたところを、先頭車2両の代替として挿入・先頭車を廃車とするという推測です。

先述のように、1000形他編成に増結をするのであれば電動車とともに転用するのが適切です。

現状これ以外の中間付随車の活用法として適当なものはなさそうですので、この動きが実施される可能性が非常に高そうです。

一方で、次回の10両固定編成化はこのサハ流用で済ませられるものの、6両のまま残る2ペアは先頭車の中間車化改造に戻るのか、単独編成としてそれぞれ更新をするのか、はたまた編成単位でばっさり廃車とされるのか。その先の予想は難しそうです。

今後急ピッチで車両の世代交代が進められそうですが、2連続で意外な編成が代替されていますので、日頃からの記録を大切にしていきたいですね。

フォロワーの延回5えのしまB様(@nse3100ashinoko)より、地下化前の下北沢駅を走行する1081Fの貴重なお写真を、許可をいただき掲載させていただいております。

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