2019年3月16日に行われたJR各社のダイヤ改正ではJR西日本が最も目立つかもしれません。
JR西日本が行うダイヤ改正の目玉のひとつが「らくラクはりま号」の新設です。
一体、どのような列車なのでしょうか。
概況
①大阪~姫路間を走る通勤特急
「らくラクはりま号」は2019年3月18日(月)にデビューした特急列車です。
運行区間は東海道・山陽本線(JR神戸線)の大阪駅~姫路駅の区間。
列車本数は1日1往復となっています。ダイヤは以下のとおりです。
「らくラクはりま号」姫路発大阪行き
姫路駅:6:21発
加古川駅:6:32発
西明石駅:6:42発
明石駅:6:46発
神戸駅:6:58発
三ノ宮駅:7:02発
大阪駅:7:21着
「らくラクはりま号」大阪発姫路行き
大阪駅:19:04発
三ノ宮駅:19:27発
神戸駅:19:31発
明石駅:19:43発
西明石駅:19:47発
加古川駅:19:57発
姫路駅:20:08着
「らくラクはりま号」は平日のみの運行となっています。
停車駅は姫路駅~三ノ宮駅間は現行の新快速と同じです。
三ノ宮駅~大阪駅間はノンストップ。
やはり、兵庫県西部(播磨地域)を重視したダイヤといえるでしょう。
姫路駅から大阪駅までの所要時間は60分、大阪駅から姫路駅までの所要時間は64分です。
現行の新快速の所要時間は姫路駅から大阪駅までが68分(姫路駅6時24分発)、大阪駅から姫路駅までが66分(大阪駅19時発)です。
おそらく、大阪駅~三ノ宮駅がノンストップなので、「らくラクはりま号」が新快速と比べて4分~8分程度、所要時間が短いのでしょう。
「らくラクはりま号」だけに注目されがちですが、大阪駅~姫路駅間を走る一部の特急列車の停車駅が変わります。
関西地方と山陰地方を結ぶ特急「スーパーはくと号」「はまかぜ号」のうち、「はまかぜ5号」と「スーパーはくと13号」が新たに神戸駅(スーパーはくと13号が新たに停車)と西明石駅、加古川駅に停車します。どちらも、夕方時間帯に走る下り(姫路方面)列車であり、「らくラクはりま号」と同様に大阪から兵庫県西部まで乗車するビジネスパーソンをターゲットにしています。
②何両編成で運行されるの? 自由席はあるの?
「らくラクはりま号」は6両編成で運行されます。編成は以下のとおりです。
↑姫路
1号車:グリーン車、普通車指定席(女性専用席)
2号車:普通車自由席
3号車:普通車自由席
4号車:普通車指定席(車椅子対応席あり)
5号車:普通車指定席
6号車:普通車指定席
↓大阪
※各車両の最前部と最後部にコンセントがあります。
※グリーン車の全座席にはコンセントがあります。
注目したいのが1号車の普通車指定席が女性専用席であること。
例外として、同伴の小学生以下の男児も乗車できます。
自由席車両はありますが、2号車と3号車のみ。
確実に座りたい方は指定席を確保することをおすすめします。
今後の状況により、編成が変わることは十分に考えられます。
使用車両は水色の帯が特徴的な「くろしお号」で使用されている289系(元683系2000番台)・6両編成です。
③気になる「らくラクはりま号」の運賃は?
「らくらくはりま号」は特急列車のため、乗車券のほかに特急券が必要です。
さらに、指定席車両に乗車する際は指定席券、グリーン車を利用する際はグリーン券を購入しないといけません。
姫路駅~大阪駅間の普通車指定席特急券(通常期)は1,490円、同区間の普通車自由席特急券は970円です。
姫路駅~大阪駅間の普通運賃は1,490円ですから、合算すると普通車指定席特急券(通常期)は2,980円、普通車自由席特急券は2,460円になります。
「高いな……」と思った方はJR西日本が提供する「J-WESTチケットレス」や「チケットレス特急券」を利用してみましょう。
どちらも、チケットレスで利用でき、区間、列車、設備、座席指定のお得な切符です。
「J-WESTチケットレス」を利用すると姫路駅~大阪駅間の普通車指定席特急券が720円に。
「チケットレス特急券」でも同区間の普通車指定席特急券が1,290円です。
さらに、2019年3月18日~4月26日まで「おためしチケットレス特急券」のサービスも行います
料金は「J-WESTチケットレス」と同じ価格。
しかも、「J-WESTチケットレス」とは異なり、J-WESTカードがなくても利用できます。
他にも「らくラクはりまマイシート」や「らくラクはりまグリーンマイシート」の販売もはじまります。
詳しくはJR西日本のホームページをご覧ください。
今後の展望
「らくラクはりま号」は1往復の設定ですが、新たに販売される割引切符を見ると、JR西日本が大いに期待している列車だといえるでしょう。
今後の乗車率によっては増発することは十分に考えられます。ただし、東海道・山陽本線は列車本数が多いため、大増発とはならないでしょうが。
また、「らくラクはりま号」が停車する明石市は2013年以降、人口増が続いています。
人口増の要因は様々なことが考えられますが、ひとつには明石市が行う福祉政策の充実が挙げられます。そのため、明石市は現役世代にとって魅力的な市となっているわけです。
「らくラクはりま号」の誕生により、さらに自治体が交通至便であることをPRするのではないでしょうか。
ますます、兵庫県西部(播磨地域)が注目されると思います。
コメント