4編成体制で運行されている251系“スーパービュー踊り子号”ですが、RE-3編成が先週末の臨時列車運行を終えて一足先に定期運用を離脱しました。
13日までの定期運用はRE-1,2,4の3編成がループする格好で運用される模様です。
251系特有の運用離脱前後の動き
特殊設備が多い251系ですが、デビュー時から現在までの30年間、車内サービスの縮小があった現在まで車内販売・グリーン車サービス品・車内販売ワゴンなどを車内に積んでおく体制が継続していました。
この例外として、全般検査・重要部検査といった4年に1回の定期検査があります。
1ヶ月前後の長期間離脱となるために食品を置きっぱなしにできないほか、そもそも車両をバラすのに邪魔になってしまいます。
これらの前後には東京または新宿の拠点駅で大量の商品・備品・車内販売ワゴンなどの積み下ろしが見られました。
今回もRE-3編成が8日の9014M東京駅到着時に定期検査入場時同様の荷下ろし作業を行っていましたので、RE-3編成については8日をもって定期運用を離脱したと言って差し支えないでしょう。
このRE-3編成が定期検査まで最も期間が短かったため、2019年10月の臨時列車運転休止期間中は故障が多かったRE-1編成とともに予備となっている日が多くなっていました。
特に河津桜まつり期間中は、週末に日帰りの臨時運用・平日はほとんど動かない……という体制が続けられていました。
251系の車両運用は2泊3日のローテーション+週末は日帰りの臨時運用となっています。
そのため、消去法で最終日までの充当車両を推測することが可能です。
尤も、ここ数年は車両故障の多い251系、車両不具合・大幅なダイヤ乱れがあれば急遽運用復帰・運用変更の可能性は否めません。
ただし、秋・冬の臨時列車で限界まで臨時運用を避けていたり、従来なら下田留置編成を活用した遅延回復をしたり……という使用方法を考えると、おそらくRE-3編成にそこまでの走行距離の余裕はないものと考えられます。
10日(火) | 11日(水) | 12日(木) | 13日(水) | |
RE-1 | A254運用 | A252運用 | A253運用 | A254運用 |
RE-2 | A253運用 | A254運用 | A252運用 | A253運用 |
RE-4 | A252運用 | A253運用 | A254運用 | A252運用 |
A251 | ヨビ | 東大宮停泊 |
A252 | スーパービュー踊り子5号 スーパービュー踊り子8号 ホームライナー小田原23号 | 東大宮出庫 国府津停泊 |
A253 | おはようライナー新宿26号 スーパービュー踊り子3号 | 国府津出庫 下田停泊 |
A254 | スーパービュー踊り子2号 スーパービュー踊り子7号 スーパービュー踊り子10号 | 下田出庫 東大宮停泊 |
251系特有の個体差!?
4編成ある251系ですが、RE-1,2編成とRE-3,4編成で違いがあることも知られています。
未乗車・未撮影の編成がある方は、この辺りの違いも注目ですね。
前者が1990年製の1次車・後者が1992年製の2次車であり、撮影する上での違いはワイパーの本数・乗車する上での違いは展望席と乗務員室の仕切りの違いが目立つ点でしょうか。
このほか、バブル設計の251系では他形式とは異なる特殊な照明を多く使用していたため、田町車両センター所属時代に一部の箇所の照明器具が市販品と思われる別形状のものに交換されています。
グリーン車のサロン室の照明・ドア形状などもそれぞれ個体差がありますので、グリーン車の切符を確保している方はぜひ見比べてみてくださいね。
天皇陛下も乗車!RE-3編成の特殊設備
4編成体制となっていた251系スーパービュー踊り子号ですが、今回運用離脱となったRE-3編成には他にはない使命がありました。
これは、須崎御用邸までの移動のため、東京駅から伊豆急行線の終点・伊豆急下田駅までを走る“御乗用列車”としての運行です。
毎年夏のご静養の際には、スーパービュー踊り子7号(5号で実施した年も)のグリーン車2両を貸し切りとして運行されていました(復路は踊り子号使用)。
現在の天皇皇后両陛下と愛子さまは、天皇陛下即位前から(皇太子様ご夫妻として)夏季休暇を須崎御用邸で過ごされていたため、東京駅〜伊豆急下田駅間で毎年設定されていました。
通常はスーパービュー踊り子2号の折り返しとなる7号ですが、この当日と前日などは東京駅で車両交換を実施するのが通例でした(警備都合・2号の車両は入庫後臨時9号で使用)。
さらに、2005年までは踊り子号の歴史でも異色の“スーパービュー踊り子91,92号”が設定されていました。
列車番号も9001M,9002Mというお召し列車のような付番、停車駅も東京・横浜・熱海・伊東・(伊豆稲取)・伊豆急下田という異常な少なさ、さらに切符も前日にちょっとだけ発売するという一般列車としての体裁をギリギリ保つ面白い設定でした。
お盆にひっそり運行されているスーパービュー踊り子9号・12or14号という平日運行体制もこの頃の名残とも言えそうですね。
このRE-3編成ですが、通常の4年周期の定期検査に加え、隔年で外板塗装を塗り直す“臨時検査”を実施していました。
例年の傾向であれば2019年のゴールデンウィーク〜夏休みにこの外板塗装入場が実施されるかと思われていましたが、これは実施されず、皇室輸送というRE-3編成のアイデンティティを失っていることが確実視されていました。
従来は他の編成が錆び垂れしていても比較的綺麗に保たれていたこの編成、運用離脱前に一番ボロボロの状態で走ることとなり、何とも悲しい最期です。
平成の時代の251系の花形列車でしたが、251系の置き換えより前に天皇陛下退位・改元といった動きがあったため、2019年夏には日章旗掲揚・TR車連結なしのお召し列車としてE655系が使用されています。
天皇陛下=お召し列車・そのほか皇族=御乗用列車という長年の運転体系を考えれば、今後も皇室のご意向が変わらない限りはE655系での運行が続くことでしょう。
上皇上皇后両陛下が那須御用邸で休暇を過ごされていますので、天皇皇后両陛下は須崎御用邸で過ごされる体系が継続されています。
このため、当面はE655系の東海道線〜伊東線〜伊豆急行線の走行が毎年の名物となりそうですね。
スーパービュー踊り子号の歴史を振り返ると、やはり皇室との関係・RE-3編成の活躍が特徴的です。
2020年3月にはサフィール踊り子号がデビューしますが、皇族のご利用実現はしばらく先でしょうか。
伊豆方面のこれらの輸送は警備動線などの都合から下田方に乗車する動線が通例ですので、サフィール踊り子号で実施する場合は、プレミアムグリーン車か個室車の使用を想定しているかと思いますので、今後の動きに期待したいところです。
情報の確度について補足
この記事も多くの方にお読みいただき感謝申し上げます。
他の有名サイトさんに直リンク・アクセス流入もあったので補足致します。
荷下ろし作業については私自身は撮影をしておらず(乗務員・アテンダントの写真は肖像権配慮から他記事同様撮影しませんでした)、証拠を出せと言われると難しいところです。
この点については信憑性という観点では弱いですので、今後の反省材料とさせていただきます。
まず、ここまでの走行距離調整について、最近の運用状況を掲載します。
直近のRE-3編成運用状況
2/14(金) | A251(ヨビ)=EF81形連結訓練 |
2/15(土) | A251-2(9061M-8004M-8009M-9014M) |
2/16(日) | A251-2(9061M-8004M-8009M-9014M) |
2/17(月) | A251(ヨビ) |
2/18(火) | A251(ヨビ) |
2/19(水)★ | A252(3005M-3008M-3453M) |
2/20(木)★ | A253(3456M-3063M) |
2/21(金) | A254(3002M-3007M-3060M) |
2/22(土) | A251-2(9061M-8004M-8009M-9014M) |
2/23(日)★ | A252(3005M-3008M-3453M) |
2/24(月祝)★ | A253(3456M-3063M) |
2/25(火) | A254(3002M-3007M-3060M) |
2/26(水) | A251(ヨビ) |
2/27(木) | A251(ヨビ) |
2/28(金) | A251(ヨビ) |
2/29(土) | A251-2(9061M-8004M-8009M-9014M) |
3/1(日) | A251-2(9061M-8004M-8009M-9014M) |
3/2(月) | A251(ヨビ) |
3/3(火) | A251(ヨビ) |
3/4(水) | A251(ヨビ) |
3/5(木) | A251(ヨビ) |
3/6(金) | A251(ヨビ) |
3/6(土) | A251-2(9061M-8004M-8009M-9014M) |
3/8(日) | A251-2(9061M-8004M-8009M-9014M) |
3/9(月) | A251(ヨビ) |
3/10(火) | A251(ヨビ) |
★印が定期外泊運用で、4編成体制で2行路が外泊であることを考えると、意図的に外していたと言えるかと思います。
また、記事内でも記している通り、通常列車の車内販売とは異なり、在庫の車内在庫留置が原則で、少なくとも自身が記録してきたリニューアル工事施工後のオペレーションにて、定期検査入場以外での大規模な荷下ろし作業は確認していません(拠点基地のない大宮発着便が新宿駅以北で営業できるのもこれが背景です)。
川越車両センターでの車輪転削・上記RE-3編成特有の外板修繕入場といった特殊な離脱期間については、通常通りの取り扱いとなっていました。
伊豆方面特急を日常的に使用していた私を含め、複数回乗車経験のあるファンの方なら見かけた方も多い光景だと思いますが、ご指摘があったので付記しておきます。
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