伊豆急行・東急電鉄のTHE ROYAL EXPRESSが北海道に向かうことで話題となっているほか、この春には正式発表されていないもののスーパービュー踊り子号用の251系を使用すると思われる河津桜号・河津夜桜号が運転されます。
また、静岡DC関連で横浜発着の2100系快速列車やE655系の旅行商品も設定されており、踊り子号の置き換え寸前の今年は東伊豆で様々な動きがありそうです。
話題の各車両について、発表内容を基に経緯を推測していきます。
THE ROYAL EXPRESS北海道へ・課題はどう解消する?
THE ROYAL EXPRESSは、2016年から水戸岡鋭治氏のデザインで、横浜~伊豆急下田駅間のクルーズ列車として東急電鉄主体で運行されているクルーズ列車(旅行商品・団体臨時列車扱い)です。
今回の発表では、東急グループとしては北海道方面の旅行商品の強化、JR北海道としては線路使用料による収入と、車内販売全廃など衰退が続く北海道の観光路線のノウハウ習得などを目的としています。
以前JR東日本がJR四国のアンパンマントロッコを借りて東日本大震災の復興支援を行っていましたが、今回はあくまで東急電鉄の列車が北海道を走るという点が特筆される点かと思います。
車両の経歴は?
改造ベースとなったのはリゾート21シリーズの最終編成・アルファリゾート21・R-5編成です。
改造前はリゾート踊り子号として臨時特急リゾート踊り子号に、平日や閑散期は普通電車に運用されていた車両です。
東急電鉄・恩田にて内装工事ののち、伊豆高原にて塗装を一新、現在ではTHE ROYAL EXPRESSの専用車両として活躍しています。
特定の団体列車専用車両としては近鉄のクラブツーリズム専用のかぎろひ辺りが近いでしょうか。
鳴り物入りのTHE ROYAL EXPRESSは現在では閑古鳥?
8両編成という国内最大級のクルーズ車両として運行を開始しましたが、その定員の多さから現在は苦戦している様子です。
登場当初は満員だったものの、片道利用するスーパービュー踊り子号グリーン車の利用状況を見る限り、クルーズプランについては1列車で10人程度の日も散見されるほか、それ以外の乗車プランも空き席が多くあるようで、現在の乗車人数ではJRへの線路使用料もあり大赤字でしょう。
1,2号車しか旅客が見えない日もありましたが、気のせいであってほしいものです。
4両編成の伊豆クレイルでさえ4号車の指定席以外の団体枠の発売に苦心しているのをみると、やはり今後登場するサフィール踊り子号のような旅行商品でない切符発売の列車にしておくべきだったのではないかと感じます。
東急グループとしてはトレンドで稼ぎたいから手っ取り早いアルファリゾートに目をつけたのでしょうけれど、痛い勉強代といったところでしょうか。
プランは伊豆が好きな筆者でも魅力的なので、自社系列に多くお金が流れるなら、異常に高いあの金額だけなんとかしてくれないかなとは思います。
乗り入れに関する課題は?
電化設備
直流のみ対応の伊豆急車を交流電化が一部・ほかは非電化という北海道では、自力で走れる線路は一切ありません。
機関車牽引となることがほぼ確実となりますが、牽引する機関車をJR北海道では保有していません。
これにより、北海道新幹線開業後のカシオペアクルーズのように、JR貨物の電気機関車EH800形や、DF200形での牽引を想定しているものと思われます。
また、連結器変換・電源供給には長野総合車両センターで譲渡のため保管されているゆうマニことマニ50-2186を活用するのではないかという見方もあり、実現すればJR貨物の機関車+元JR東日本の客車+東急(伊豆急)の電車という10両編成がJR北海道を走ることとなります。
耐寒・耐雪設計
温暖な伊豆育ちのこの車両にとって、雪・寒さへの対策は皆無です。
改造をしないと仮定すると、使用可能時期は春~秋に限定されます。
入線確認
JR東日本と直通運転しているように国鉄規格・それより小さい東急電鉄のサイズで設計されているものの、車高に関しては電化路線と非電化路線のトンネルサイズなどには課題もありそうです。
以上を踏まえると、四季島が走っている函館~札幌間などでしたら大丈夫でしょうけれども、伊豆の閑散期で北海道の観光客が多い時期・かつ耐寒設備不要となれば6月のラベンダーでしょう。
季節限定で甲種輸送して1シーズンクルーズを運行したら伊豆に持って帰ることを想定しているのではないでしょうか。
伊豆急の臨時快速にJR東・251系!?
伊豆急では、ここ数年は河津桜の時期に伊豆高原~河津・伊豆急下田間で運行される臨時快速さくらリレー号(名称は年により異なる)が運行されています。
河津は駐車場が少なく混雑することを踏まえ、伊豆高原まで車で来ている旅行客にも電車に乗ってもらおうというコンセプトで運行されています。
また、河津桜まつりシーズンには踊り子号の臨時列車がフル稼働するほか、伊豆高原以南の日中普通列車を3両ワンマン→6両編成に増結(伊豆高原以北から通しで6両で運行)されるなど、伊豆急行の夏休みと並ぶ繁忙期です。
発表されている河津桜号・河津夜桜号は臨時踊り子号が土休日より少なく、比較的ダイヤに余裕がある金曜日の夜に伊豆急下田→伊東→伊豆急下田で運行が発表されています。
気になる点としては、伊東・伊豆高原発着ではなく伊豆急下田駅発着で運行される点です。
伊豆急では毎年この時期に全般検査・重要部検査を避けるように調整しているほか、乗降遅延対策(毎年、桜が満開のときに20分程度遅れる)で今年は土休日の混雑便を8000系代走とするくらいフル稼働の時期です。
需要の方面は都心側からのアクセスなので、あえて逆方面で走らせるために河津駅を臨時回送で通過させる運行はもったいないうえ、せっかくなら使いたい看板のリゾート21は運用表から充当がされません。
となると、伊豆急下田駅に停泊している車両の活用となるわけで、これによりこの臨時快速に充当出来る車両は251系に絞られます(通常他の停泊運用はない)。
裏付ける理由としては、停車駅が特急停車駅のみとなっている(毎日運行の快速は蓮台寺駅・7両編成までの今井浜海岸駅停車)ことが挙げられます。
気になる251系の現状は?
JR東日本がよくぞ伊豆急の臨時列車にA特急で使っている看板車両を貸してくれたものだなあと感心します。
251系といえば、「乗ったときからそこは伊豆」をテーマコンセプトとした、スーパービュー踊り子号の専用車両です。
デビュー直後はPRも兼ねてか観光路線での臨時特急としても運行されていたものの、20年近く団体臨時列車や上野東京ラインの試乗会以外では、スーパービュー踊り子号と間合いのライナーでしか運行されていない車両です。
近年では設備不具合などの老朽化が進行していることから臨時列車運行も最小限に抑えられ、臨時のスーパービュー踊り子号は運行本数が毎年減少しています。
そのようななかでの臨時快速実現となれば、無料で251系に乗れるほか、車窓から河津桜のライトアップが楽しめる素敵な列車となるはずです。
大々的に宣伝されていないので、グループでわいわい列車旅もよさそうですね。
まとめ
伊豆稲取の雛のつるし飾り祭り・河津の河津桜まつり・南伊豆のみなみの桜と菜の花まつりなど、早春の伊豆は多くの観光客でにぎわう時期です。
置き換え前の踊り子号・スーパービュー踊り子号、貴重な元・東急8000系、豪華なリゾート21など、どの列車も魅力的です。
鉄道好きなら是非、この春・夏に伊豆で列車旅をしてみてはいかがでしょうか。
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動画資料集
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コメント
過去記事から筆者がもうちょっとマトモなヒトかと思ってたが、、、
ここまで失笑だらけの記事は久々に見たわ。
Royal Expressの北海道行に関してはこれまたアホな新聞記事をそのまま鵜呑みにしてしまったのかもしれんが(後追い記事ではちゃんと”新造”って書かれてる)、
利用率に関しては確かに当初の想定通りとはいっていないものの、
大多数が自由の利く片道プランで乗ってるのに、定員も限られてるクルーズプランでしか利用しないスーパービューの利用者数で決めつけちゃう所なんか、、、
251の快速使用とかもう呆れるわ。
いくら8000がフル稼働と言っても予備車くらいあるし、リゾート使うにしたって臨時運用をわざわざ運用表に載っけたりしないし。
桜臨以外でも過去に”あえて”回送させて臨時を走らせたことなんぞ幾らでもあるし。
伊豆急社員の知り合いに見せたら、(口にこそ出さなかったが)アホくさ、って顔で失笑してたわ。。。