東急電鉄の目黒線では、以前から奥沢駅の改良工事など、相鉄直通に合わせた8両編成対応の動きが少しずつ出ていました。
2019年3月26日のプレスリリースにて路線延伸分の新形式3020系の発表とともに、8両化を全編成で行うことが発表されました。
プレスリリース以外の資料も合わせて、組み替えを中心とした動きを追います。
新型3020系投入はなぜ2019年度?
新型3020系が既に製造・まもなく完成予定であることは、金沢八景にある総合車両製作所(元・東急車輛製造)の目撃情報や、とれいん誌の甲種輸送情報などで明らかになっていました。
今回のプレスリリースの新情報としては、2019年度に3編成が製造されて営業運転をはじめることと、2020年度上半期から増結を始めることが挙げられます。
目立つ点としては、文脈から3020系は8両3編成のみと捉えることが自然なことが挙げられます。
経年車である3000系を含めた増結の動きについて、鉄道ファンの大きな注目を集めています。
既存車の動きは?3000系も増結?
既存車両については全編成の増結の旨のみが記されており、具体的な動きについては明らかになっていません。
考えられる動きについて考察してみます。
単純に3000系・5080系ともに増結車両新造説
東急電鉄の中期経営計画では、田園都市線系統の8500系を2022年度までに完遂するとしています。
今回のプレスリリースにて2022年度までに全編成の増結が発表されたため、単純に増結するだけでも向こう4年間でちょうど300両もの新造車両を準備する必要があります(2020系230両・3020系24両・目黒線23編成の増結46両)。
このため、財政や予備車の絡みを鑑みると、既存編成については素直に増結するのではないかという考え方があります。
この辺は最近の東急さんのお家芸ですが、副都心線直通の際同様、とにかく車両数を増やさなきゃいけない状況ですので、現実的な対応としては無難でしょうか。
3000系列の増結車を3020系仕様で製造
付随する動きとして、JRだと209系世代である3000系への組み込み車両を3020系仕様で製造することが考えられます。
これは、3000系が製造から20年以上経過するため、他線区(大井町線)への転用・3020系での将来的な置き換えを前提に増結車両を3020系の仕様にて製造するというものです。
JR東日本のE231系4600番台がE233系仕様で製造され、E235系に転用されたような組み替えを前提とした設計で作られる……という可能性は、近年の東急の派手な組み替え事情を鑑みると十分にありえるでしょう。
田園都市線の2020系を増投入で5000系を8両化説
この考え方は、経年差を抑える為に、田園都市線の2020系を増投入することで、5080系などの増結車両を確保しようという考え方です。
東急電鉄からは8500系の置き換え時期こそ判明しているものの、確定した本数については明らかにしていません。
このため、5000系10両編成と5080系を組み合わせることで、3000系10編成の淘汰と5080系10編成の増結が出来るという考え方です。
メリットとして、経年差を減らせる事がありますが、この動きのデメリットしては、やはり先述の東急全体での製造車両数の多さが考えられます。
そして、それなら目黒線を新造車とした方がトータルコストは安そうに思えます。
このため、この動きをしたくても難しいと言えそうです。
組み込み車両には6000系も一部使用説
東急大井町線のQ-SEATについての動きでは、東急6020系は2両新造・6000系は1両改造という計画が報道されていました。
しかしながら、現在6000系のQ-SEAT車が2両製造されていることが明らかになっています。
6000系の使徒としては他に転用先も見当たらないことから、目黒線用の増結車両の一部とすることが考えられます。
東急6000系列は5000系との組み替えは部品単位でしかなかったことから、実現すると初めての動きとなりそうです。
まとめ
様々な可能性を秘めた(悪く言えばぼかした)東急電鉄からのプレスリリースでしたので、今後の展開予想はなかなか難しいところです。
4年間で300両という大規模投資である一方で、置き換えたい車両も多く、苦しい動きとなるでしょう。
東急電鉄まわりの組み替えを含めた動きはますます注目が集まりそうです。
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