9月11日、JR西日本の新たな長距離列車「WEST EXPRESS 銀河」がついにデビューしました！ 当初、5月8日にデビューする予定でしたが、社会情勢などにより、約4カ月遅れでデビューしました。当記事ではデビューから1週間が経った9月18日の京都駅の模様をお伝えします。
「WEST EXPRESS 銀河」とは？
「WEST EXPRESS 銀河」はJR西日本が運行する新たな長距離列車です。種車は1979年に京阪神エリアの看板列車「新快速」向けにつくられた117系です。「WEST EXPRESS 銀河」のデビューにあたり、内外装ともに大きく改造されました。
「WEST EXPRESS 銀河」は6両から構成されています。出雲市方1号車は「グリーン車指定席」で2人掛けシートが並んでおり、背ずりを倒すとベッドになります。2号車は普通車指定席（女性席）となり、2列＋2列のリクライニングシートとノビノビ座席「クシェット」で構成されています。3号車も「普通車指定席」ですが、車端部にはフリースペース「明星」と家族向けの簡易部屋「ファミリーキャビン」があります。
4号車は乗客なら誰でも利用可能なフリースペース「遊星」です。5号車は「普通車指定席」でノビノビ座席「クシェット」がメインの車両です。最後尾の6号車は「グリーン個室」とフリースペース「彗星」があります。グリーン個室には「プレミアルーム」と名付けられた個室があり、昼夜問わず快適な鉄道旅行が楽しめます。
9月～11月までの「WEST EXPRESS 銀河」は夜行特急として運行され、運行区間は下りが京都駅から出雲市駅、上りが出雲市駅から大阪駅です。12～3月は昼行特急として運行され、大阪駅～下関駅間を往復します。9月現在、運行日は上下各週2便となっています。なおダイヤは運行する曜日により異なっているのでご注意ください。
ブルートレインとはまったく違う「WEST EXPRESS 銀河」
デビューから1週間が経過した9月18日に「WEST EXPRESS 銀河」が出発する京都駅を訪れました。「WEST EXPRESS 銀河」は21時15分に京都駅31番線から出発します。31番線の近くには記念写真が撮影できる特別スポットが用意されていました。
31番線ホームには「WEST EXPRESS 銀河」専用の足元表示が用意されています。6号車は最も豪華な「グリーン個室」です。
電光掲示板では「銀河」の右上に星空があることに注目してください。「WEST EXPRESS 銀河」は特急列車扱いですが、他の特急列車のように赤字にはなっていませんでした。
21時09分に「「WEST EXPRESS 銀河」が入線しました。外装は西日本が誇る美しい海や空を表現した瑠璃紺色になりましたが、前面は「新快速」時代の117系の名残を色濃く残しています。
ロゴマークは西日本エリアの魅力的な地域を星に見立て、それらを列車が移動する様子を表現しています。
1号車「グリーン車」には座り心地が良さそうな2人掛けのソファー席となっています。先述したとおり、背ずりを倒すとベッドになります。
2号車は「普通車指定席」で車両半分はリクライニングシートが並んでいます。夜行特急としても使われるせいか、一般の普通車よりもグレードが高そうな座席です。なお「WEST EXPRESS 銀河」では全座席に電源コンセントが備え付けられています。
3号車の車端部にある簡易個室「ファミリーキャビン」は丸窓と細長い窓が目につきました。これらの窓から見る瀬戸内海の風景は美しいでしょう。
3号車にあるフリースペース「明星」では世情を反映して「マスク」「距離」と書かれたロゴマークがありました。気のせいか、かつてのブルートレイン「出雲」「あかつき」に似ているような気がしますが……。
4号車フリースペース「遊星」は開放的なつくりとなっているため、簡単にソーシャルディスタンスがとれるのではないでしょうか。
5号車も普通車指定席です。「WEST EXPRESS 銀河」の特徴のひとつがノビノビ座席「クシェット」があることです。「クシェット」という名称はヨーロッパではおなじみですが、国内では「WEST EXPRESS 銀河」が初採用だと思います。かつてのB寝台2段開放式をほうふつとさせます。
6号車「グリーン個室」はA寝台個室と同ランクと思っていいでしょう。昼行特急でも快適に過ごせそうです。
このように「WEST EXPRESS 銀河」は6両でありながら、さまざまなシート・部屋が用意されています。そのため「TWILIGHT EXPRESS 瑞風」などの豪華クルーズトレインとは大きく異なります。
なお京都駅での停車時間はわずか6分！ 正直なところ前面撮影と側面撮影でギリギリでした。できたら友人と手分けをして撮影するといいでしょう。
「WEST EXPRESS 銀河」に乗車するには？
当面の間、「WEST EXPRESS 銀河」は定員を減らした上で、団体専用列車として運行されます。乗車したい人は日本旅行の専用ホームページから申し込みます。ただし申し込んだからといって必ず乗車できるわけではなく、抽選制となっています。
参考までに京都駅発出雲市行き1番列車の倍率は53倍でした。出雲市駅発大阪行き1番列車の倍率も27倍であることを考えると、なかなか乗車するだけでも難しそうな列車です。通常運転となり、一般向けに走れることを一ファンとして心待ちにしたいと思います。
コメント