本年も鉄道趣味サイト「鉄道ファンの待合室」をよろしくお願い致します。
大晦日〜お正月は、おうちでゆっくりされる方もいらっしゃる一方で、初日の出や初詣の臨時列車やヘッドマークの付いた列車を乗車や撮影で楽しむ方、鉄道事業者に就職されては休みなく働いていらっしゃるなど、様々な過ごし方をされたかと思います。
また、記事公開日は関東平野部でも積雪するなど、厳しい寒さが続きます。どうぞご自愛ください。
さて、弊サイトからは少し出遅れたものの新年の特集記事として、年末に各社から相次いで発表された春のダイヤ改正に関連する話題から、引退発表・または確実となっている状態の車両、趣味目線で面白かった主な列車を改めておさらいします。また感染症が不穏な気配ですが、お出かけのされる際のご参考にどうぞ。
衝撃的?予想通り?大規模な修正が加わる2022年のダイヤ改正
2021年は前年に続きイレギュラーな動きも多く、鉄道ファンを騒がせたニュースが数多くありました。
特に、年末に各社から相次いで発表された2022年春のダイヤ改正は、事前情報で覚悟が出来ていた方も多かったかとは思いますが、大きな変化となることは間違いありません。
当サイト運営のTwitterアカウントでは、12月18日から25日にかけて簡単なアンケートを実施し、367名の方からご回答をいただきました。
半数近い方が「影響は軽微」と回答しており、もっと減便が大規模になると想像されていた方が多そうです。詳細なダイヤは時刻表発売を待つこととなりそうですので、その際にはまた異なる感想の声が上がるかもしれません。
既に引退が発表されている車両・主な列車
小田急50000形 VSE 定期運行終了
2022年のダイヤ改正で一番注目されたのは、小田急ロマンスカー VSE 50000形の定期運転終了でした。
製造からまだまだ車齢が浅いものの、車両保守上の都合で短命に終わることとなりました。
2023年秋ごろまで臨時列車としての運用こそ発表されているものの、乗車・撮影ともにハードルが上がることとなります。
相模線 205系500番台 横浜線直通
ダイヤ改正の発表では、205系がダイヤ改正時点で引退することが触れられています。
それ以前の報道では2020年内の淘汰がされるような記述もありましたが、正式な記述は今回のリリースが初めてとなりました。
現時点では12編成の投入予定数のうち10編成が運用入りしている一方で、モニタリング装置を搭載した580番台となるG-11編成・G-12編成(推測)は未だ姿を現していません。もう少しの間は205系の勇姿を拝めそうです。
また今回のダイヤ改正では、朝夕に橋本から八王子まで乗り入れていた横浜線直通運転が終了します。
E131系投入数が205系と比較して1編成少ないため、八王子発着列車削減で運用数を1本削減・それまでの間は205系を残存させる対応が組まれていることが想像されます。最終運転日などは示されておらず、日常的な保守のスケジュールの調整によって、ダイヤ改正前日より前に全編成が運用を離脱する方が自然です。
日光・宇都宮線 205系600番台
宇都宮エリアの車両代替については、特急列車の車両代替のようにダイヤ改正で一斉に切り替える体制となりました。編成長と運用構成が一新されることが背景と考えられます。
検査を最小限に抑えるため、以前より走行距離に余裕がある編成を優先的に使用する対応となっており、日光色の宇都宮線運用・湘南色の日光線運用などが日常の姿となりました。
趣味的には面白い動きが続いており、最後まで楽しませてくれそうです。
足湯付き新幹線「とれいゆつばさ」E3系700番台
土休日に福島〜山形〜新庄間の山形新幹線在来線区間を中心に運行されていた、観光列車「とれいゆつばさ」の運転が3月6日のダイヤ改正前週末に終了となります(外部PDF)。
E6系に代替された秋田新幹線用 E3系R編成のうち、車齢が浅いR18編成を改造して運用されていました。
それ以降にラストランツアー等が催行されるのか否かは、記事公開日時点では発表されていません。
2020年には同時期に改造された上越新幹線の「現美新幹線」R19編成も運転終了となったほか、増結車として余生を過ごしていたR21,R22編成も運用が消滅しており、これでE3系R編成は消滅となります。
ただし、山形新幹線のL54編成・L55編成は同時期にR編成を改造した車両ですので、秋田新幹線出身のE3系自体が完全な消滅となるのはE8系投入開始後となりそうです。
八高線・川越線 209系3100番台
八高線ではこれまで、209系500番台・E231系0番台がそれぞれ209系3500番台・E231系3000番台として投入され、205系3000番台と209系3000番台を置き換えました。
残されていた209系3100番台2編成については、その後も休車期間を長く設けた上で、時々営業運転に使用されています。
これは、209系3500番台・E231系3000番台を対象に、ワンマン運転を前提とした改造工事を追加で施工していることが背景です。
八高線のワンマン化が2022年3月のダイヤ改正より開始されるため、209系3100番台は運用離脱が確実な状態です。2021年度内の引退と抽象的な表現がされていますが、実際には遅くともダイヤ改正までの撤退が予想されます。
このほかワンマン化に関連して、E233系を使用した中央線直通列車も運転が終了されます。これについても、ワンマン化の都合であることが最近の労組資料に記載されています。
特急「おおぞら」キハ283系
JR北海道では、キハ261系22両の追加投入により、キハ283系「おおぞら」の淘汰を完了させます(外部リンク)。特急「おおぞら」は函館本線・千歳線・石勝線・根室本線を経由し、札幌と根室を東西で結ぶ特急列車です。
このキハ283系は1995年に試作車が、翌年から2次試作車と量産車が製造され、1997年の「スーパーおおぞら」として営業運転を開始した車両です。区間便である「スーパーとかち」のほか、キハ281系「スーパー北斗」の増結車として函館〜札幌間で運用された経歴もあります。
振り子式の車体傾斜による高速化により、従来のキハ183系から所要時間を大きく短縮した点が特徴です。道内移動の高速化に大きく貢献するとともに、JR北海道の看板車両となりました。
2011年には石勝線で脱線火災事故が発生し、JR北海道の経営状態と車両保守について世間の厳しい目を向けられることとなりました。
その後は最高時速110km/hに抑えられる厳しい体制で、振り子式の車体傾斜こそ現在まで活用されていますが、本領を発揮することはなくなりました。
後継車として投入されるキハ261系1000番台では、最高時速120km/hでの運転となる一方で、車体傾斜装置は省略されて増備されています。
2022年3月のダイヤ改正でのJR各社発表では数少ない「形式消滅」の置き換えです。
JR東海 211系0番台
2022年3月5日から営業運転を開始する315系により、211系は順次置き換えが進められます。
このうち、国鉄時代に製造された0番台2編成(K51,K52編成)については、2022年3月での運転終了が名指しで記述されています。5000番台との差異も後年の改造で解消しているほか、最近全般検査を通過したばかりですが、それ以上に民営化後の車両100%を早期に達成したい・異端車は取り扱いが煩雑……といった思惑も想像できます。
登場時は中京色という個性で華々しくデビューしましたが、コアなファン以外にとっては最後まで地味な存在でひっそりと役目を終えることとなりそうです。
JR西日本 201系 おおさか東線運用
おおさか東線の201系運用が221系に置き換えられます。同線の開業から現在までの“顔”でしたので、おおさか東線にとっては大きな変化を迎えるダイヤ改正となります。
今後も引き続き大和路線での活躍が残るものの、2023年度までに201系の完全淘汰が進められる計画です。奈良線に2編成のみ残存する103系ともども、今後の去就が気になるところです。
具体的な記述がないものの、引退が確実視される車両
新潟エリア 115系
新潟エリアでは、新潟駅高架化工事完了で運用整理が進められるダイヤ改正の予定です。
2021年度末のE129系追加投入も徐々に濃厚な状態となっており、ダイヤ改正リリースには具体的な記述こそないものの、「新井快速」など115系の運用が減少することが読み取れる内容です。
当サイトでは115系は完全撤退を想像していますが、断言は出来ません。
今回置き換えが実施された場合、東日本エリアではしなの鉄道を残すのみとなります。
東武鉄道/会津鉄道 6050型
東武鉄道・野岩鉄道・会津鉄道では、従来運転されていた直通列車の運転体系が一新されます。
東武鉄道はこれまで日比谷線直通で使用されていた20000系列の編成短縮・栃木エリアへの転用を順次進めており、まもなく22編成が出揃います。2022年3月のダイヤ改正では日光・鬼怒川エリアへの20400型への置き換えを完遂し、ワンマン運転が開始されます。
また、会津鉄道では会津高原尾瀬口〜会津田島間の普通列車について、電車からディーゼルカーへ置き換えが実施されます。
これにより、東武鉄道・会津鉄道所属の6050型については全車両が廃車となると考えて間違いない状態です。
間に挟まれた野岩鉄道の動向が気になるところですが、とりあえず今回のダイヤ改正では60100番台が付与された野岩鉄道所属の編成は安泰と考えられます。
ダイヤ改正で変化が生まれそうな車両・路線
2022年3月のダイヤ改正では、各社とも最ピークの時間帯が削減されており、運用数が削減傾向です。
検査期限の延長に留まるのか、余剰となった経年車の一部が廃車となるのかは、会社・路線により異なるかと思います。全貌は想像つかないですが、少なくとも置き換えられてもおかしくない世代の経年車両は、置き換えが進められる可能性があります。
以前より故障が多い特定の編成・少数形式で扱いが煩雑な編成などは、前情報なく廃車となるかもしれない……と心の準備をしておいた方が良さそうです。
ファン人口が多いJR東日本については、年末に特集記事で削減本数から推測される余剰数と今後の動向を考察しています。まだご覧になっていない方はぜひお読みください。
コメント
209系3100番台の運行終了は大宮支社から明言されています。体験ツアーのプレスリリース貼っておきます
https://www.jreast.co.jp/press/2021/omiya/20211210_o01.pdf
名無しさま
閲覧・コメントありがとうございます。
ご指摘の通りでしたので、本日の動きを含めて記事の加筆訂正をさせていただきました。
今後も当サイトのご愛顧をよろしくお願い申し上げます。
鉄道ファンの待合室
2022年3月廃止の準特急も今のうちに取りたい列車の一つだと思います。