2019年3月16日ダイヤ改正では、中央線特急に大きな変化が生まれるのは既報の通りですが、その中でもマニアックなポイントとして、〝8時ちょうどの あずさ2号〟の消滅があります。
狩人の名曲・あずさ2号に因んだものですが、この歌詞の意味と現在のあずさ2号では大きく内容が異なり、単なる偶然でもあります。
歌詞の時代のあずさ号を振り返りつつ、あずさ2号の今をお伝えします。
昔のあずさ2号は下り列車!?
そもそも、歌詞は都心での生活をやめて信州に新たな恋人とともに旅立つ内容を歌っているにも関わらず、あずさ2号という偶数番号です。
これは、 1978年(昭和53年)のいわゆるゴーサントオ改正で下り…奇数、上り…偶数という付番方式となるまでは、下りも上りも1号からという付番方式でした。
このため、当時の新宿駅始発の下り列車では、8時ちょうどはあずさ2号であり、これが歌われています。
皮肉にもあずさ2号のリリース翌年に行われたゴーサントオ改正ですが、この改変が今日も全国で使われており、私鉄を含めても一般的と考えるととても素晴らしいアイデアでした。
新宿駅8時ちょうど発はその後あずさ3号→スーパーあずさ3号→現・スーパーあずさ5号と変化をしているものの、2002年(平成14年)には臨時列車として「あずさ2号」という列車名の臨時特急が運行されました。
しかしながら、やはり定期列車には逆らえず、8:02発となっています。
列車名としてのあずさ2号は上り列車に
ゴーサントオ改正で、上り列車…とはならず、〝通勤特急〟となっています。
列車名としての復活は2004年のダイヤ改正を待つことになります。
しかしながら、8時ちょうどにあずさ2号が発車となる……こんな偶然の列車が生まれたのは意外と最近で、2016年(平成28年)3月のダイヤ改正です。
これは、上りあずさ2号の大月駅発車時刻が8:00発(土休日は7:59発)となり、平日限定ではあるものの、8時ちょうどにあずさ2号が発車するというダイヤとなりました。
これはダイヤ設定上の偶然ではあったものの、やはり中央線・特急あずさ号を話題とする歌として大ヒットしているものの「復活」となり、話題となりました。
しかし、残念ながら既報の通りあずさ2号は2019年(平成31年)3月ダイヤ改正にて大月駅を通過となることとなり、たった3年・平日のみと短命に終わりました。
設定当初から話題となるも、引退直前にはファンが押し寄せることに
今回のダイヤ改正では、〝スーパー〟あずさの運行終了や、E257系の定期運用離脱、E257系付属編成運用離脱、自由席廃止、ダイヤ白紙改正など、趣味的な見どころが非常に多くあります。
そのなかでも、3年前に話題となった8時ちょうどのあずさ2号の運行終了はマニアックでもありつつ、記録するなら特急券の券面や駅表示などと選択肢が限られています。
しかしながら、複数のテレビ局が取材に訪れるように、鉄道趣味以外の人にも興味を惹きやすいトピックとしては、やはり話題性の大きなものと言えるでしょう。
E257系0番台の定期運用消滅とともにひっそりと消えたあずさ2号。
E353系で、また数年後にどこかで復活することを願いましょう。
今後のあずさ2号を含めた停車駅の変化については詳しく別記事にて記していますが、ボリュームが大きい記事ですので、お時間があるときにぜひお読みください。
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