公式発表以前よりその計画がファンから注目されていた、房総地区(千葉エリア)の短編成ワンマンの新形式・E131系。
7月16日に総合車両製作所(J-TREC)新津事業所から姿を現し、新潟エリアにて試運転を実施しています。
房総地区の世代交代とワンマン化
房総方面では、209系2000,2100番台の4両・6両編成が使用されており、前世代の113系同様に連結することで8両・10両編成と柔軟な活用がされていました。
車両置き換えにあたり、JR東日本が中期経営計画などで掲げている人口減少に向けたドライバレス・ワンマン運転の一環として、閑散線区では2両編成での短編成ワンマン化・それ以外の区間は中編成ワンマン化を目指す動きとなりました。
従来の車両は先頭車が付随車(モーターなし)・中間車が電動車という構成でしたので、他線区使用車両の転用では2両・3両編成を準備することは難しい状態です。
このため、2両編成ながら4扉車両の専用形式・E131系が新たに開発されています。
“先輩”のデザインを継承？
今回登場したE131系は、E235系で特徴的だったドット柄デザインとE129系の貫通型前面形状が目を惹きます。
乗務員室の前側の窓はクラッシャブルゾーンを設けたE217系以来、高運転台+クラッシャブルゾーンという組み合わせでしたので高めの位置にありました。このE131系ではE129系と同程度の運転台高さとされているためか、乗務員室の前側の窓高さが低めな点も面白いところです。
一時期活躍した211系と現在使用されている209系2000,2100番台では、255系特急型電車以降の千葉方面の電車で採用されていた菜の花色と海色をモチーフとした帯色が採用されていました。E131系では、青色・黄色ともに明るい色合い(青はスカイブルー)に変更されており、かなり爽やかな印象を感じます。
また、公式発表では触れられていないものの、先輩形式のデザインを意識したと思われる外観も特徴的です。
前面貫通扉にかけての斜めのデザインは、113系横須賀色の塗り分けを意識したものでしょうか。
基本的なデザインはE129系譲りながら、現在の209系で印象的だったブラックフェイスの前面デザインが採用されています。E235系同様に黒色のスカートも採用されて引き締まった印象です。
姿を現したE131系はR01編成・R02編成とされており、このR編成の呼称はE217系が鎌倉・幕張に分散配置されていた頃に使用されていました。まさに歴代の千葉・房総エリアのリスペクトがつまった房総の新たな顔にふさわしい存在と言えそうです。
概ねプレスリリース画像通りのデザインで落成していますが、各SNSでのファンからの外観への評価はかなり高いのではないでしょうか。
E131系は“標準車両”としての開発
房総地区については、2両12編成＝24両の製造のみが公言されています。このほかに組合記述にE233系が転入する旨があり、発表区間以外の運用については彼らの転入を待つ格好となりそうです。
行先表示器(方向幕)についても運用線区となる上総一ノ宮〜安房鴨川〜木更津・鹿島サッカースタジアム〜香取〜成田と限定的なものとなっています(該当区間のほとんどの駅を網羅している点はE235系1000番台同様となっていそうです)。
24両のためにわざわざ専用形式を起こしたのも珍しいですが、一部報道にて、将来的な短編成ワンマン線区の標準車両として開発した旨が記載されており、将来的な他線区への投入も視野に入れていそうです。
E233系転用が組合資料で触れられていない、日光線や相模線などが候補に入ってきそうですが、今後の増備先・運転体系の変化についても気になるところです。
肝心のワンマン機器は準備工事？
今回のE131系の最大の特徴である短編成ワンマン運転ですが、「安全確認カメラ」と呼ばれる側面のカメラ部分については、準備工事に留まっています。
車両自体は2020年度末(運用改編が絡むことから春のダイヤ改正か)に導入されることとなりますが、ワンマン運転自体はもう少し先の動きとなりそうです。常磐線向けのE531系0番台が当面使用しないものの2019年度増備車から設置済となっていることとは対照的と言えそうです。
一方で、既に行先表示器にはワンマン表示も準備されているなど、バラつきがある点はJR東日本の量産スタートならではでしょうか。
製造過程で同カメラが一旦取り付けられていた姿も見られており、依然として反対意見も多い現場職員・沿線利用者へのせめてもの配慮なのかもしれません。
まずは車両に慣れ、続いてワンマン運転の習熟……といった形となりそうで、E131系の本領発揮は少し先となりそうです。
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画像元ツイート紹介
今回のお写真は、みたらし様(@B10rashi)様より許可をいただいて掲載しています。
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