鶴見線205系代替として製造が続くE131系1000番台。
12月24日の営業運転開始を前にして、投入予定本数の8編成24両が出揃いました。
デビュー前に全車落成
JR東日本 横浜支社は2023年7月24日に「鶴見線への新型車両投入について」(外部PDF)として鶴見線にE131系3両編成8本を投入することを、「鶴見線E131系営業運転開始について」(外部リンク)として営業運転開始日が2023年12月24日(日)とそれぞれ公表しています。
10月2日にT1編成が総合車両製作所(J-TREC)新津事業所を出場したのち、10月中にT4編成までの4本が落成。11月にT5編成が、12月に入ってT6,T7編成が相次いで出場していました。
営業運転開始まで3日と迫る12月21日、最後の1編成となるT8編成が国府津車両センターへ配給輸送されて投入予定の全8編成が出揃いました。
お馴染み“80番台”シリーズでも特異な存在に
最後に出場したT8編成は1号車からクモハE131-1008+モハE131-1081+クハE130-1081となっており、1080番台の車両が2両連結されています。
これまで房総エリア向け2両編成の0番台・相模線向け4両編成の500番台・宇都宮エリア向け3両編成の600番台では、それぞれに80番台(80番台・580番台・680番台)として線路設備モニタリング装置を搭載する編成が設けられていましたが、同様にこれらの機器搭載設計とされた区分が登場しました。
1号車 クモハE131-1008
2号車 モハE131-1081
3号車 クハE130-1081
これまでの3区分ではいずれの編成両数でも両端のクモハE131形・クハE130形が80番台に区分されて機器スペースを設ける構成とされていましたが、鶴見線用の1000番台ではモハE131形・クハE130形の2両への搭載となっている点が特筆されます。
また、これまでの0番台12編成・500番台12編成・600番台15編成のうちそれぞれ2編成が80番台区分とされていましたが、今回の1000番台では1編成のみとされています。
鶴見線用205系でも1編成のみ搭載とされていましたので、現状通りの布陣となりました。
E131系で中間車にモニタリング装置類が搭載される設計とされた初の事例となりましたが、今後の他路線への投入時に同様の展開がされなければ1両だけの特異な車両となりそうです。
205系疎開の動きも始まる
南武支線用の205系に続き、鶴見線用の205系についても検査期限が最も近く休車と推定される運用離脱もしていたT18編成から国府津車両センターへの疎開が実施されています。
相模線の置き換え事例や最近のE217系の疎開状況を考えると、国府津車両センターは鶴見線用の205系27両・南武支線用の4両のうち大半を抱えることが可能な能力を有します。
21日現在でもE131系はT1〜T3編成が鎌倉車両センター中原支所または川崎統括センター鶴見線オフィス(鶴見線営業所)、T4編成以降は全て国府津車両センターに留置されている状態です。
鶴見線の205系は2023年度内の置き換え……とされているものの、2024年3月16日のダイヤ改正ではワンマン運転が開始されるほか、これに先駆けた乗務員習熟も並行するため205系の代替は急速に進行することとなりそうです。
そのため相模線の事例と同様に、24日の営業運転開始前後にE131系を順次鶴見線営業所へ送り込み、代わりに205系の疎開回送が国府津車両センター等に向けて実施されて大半を置き換える動きが考えやすい状態です。
現在はE217系・E131系・205系1000番台・同1100番台の4種が仲良く疎開されている国府津車両センターの後継も過渡期ならではの光景となりそうです。
9月にE127系による置き換えが実施された南武支線用のワ1編成・ワ2編成(W1・W2編成)は撮影会実施(と交番検査を兼ねたと推定される)のため鎌倉車両センター中原支所へ一旦戻されていましたが、こちらも再度21日に国府津車両センターへ疎開しています。
この国府津〜中原の往復では2編成併結での運転となり、現役時代を通しても極めて珍しい体制での本線走行となり注目されました。
南武支線用の205系で見られた2編成併結での回送が鶴見線の205系でも見られるのかどうかもファンの好奇心をくすぐります。
疎開回送や今後の廃車目的の車両輸送の動向など、首都圏最後のJR205系の余生もしっかり目に焼き付けておきたいところです。
コメント
離脱した205系の今後も気になるところです。秩父鉄道?富士急行?