【中央線が夏の湘南へ!?】E233系増備車トタT71編成が東海道線試運転

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1000番台に転用の報道が飛び交うなか、中央線快速電車12年ぶりの新造車両として注目を集める豊田車両センターのT71編成。

山梨エリアで試運転を済ませていましたが、6月29日には東海道貨物線・東海道線を経由して根府川駅まで試運転を実施しています。

E233系T71編成の概要と出場後の動き

中央線快速電車では、グリーン車連結による12両編成の準備が進められています。

在来のE233系0番台に準備工事とともに、普通車にもトイレを設置することとなり、現在これらの改造が東京・長野・大宮の各総合車両センターにて実施されています。

この工事期間中の予備車確保のため、青梅線で余剰となった青659編成+青459編成のほか、常磐線各駅停車・東京メトロ千代田線直通で活躍していた209系1000番台マト81・82編成が転用されていましたが、2020年6月11日に新造車となるトタT71編成が落成してファンからの注目を集めていました。

翌日の12日には豊田→酒折→塩山→酒折→塩山→酒折→豊田と試運転を実施しており、このまま営業運転に入りそうな動きをするも、豊田車両センターで留置が続いていました。

再度の試運転を実施した理由は?

14年前〜12年前に大量増備されたE233系0番台についても、新津車両製作所(現:総合車両製作所新津事業所)で落成した編成は新津エリアにて、それ以外の東急車輌製造(現:総合車両製作所横浜事業所)・川崎重工業兵庫工場で落成した編成はT71編成同様に甲府エリアにて性能を確認するための試運転を行っていました。

初期に落成した編成で各種データ測定・乗務員訓練などを実施したため最初は回数こそ多かったものの、その後の製造車両は1度の試運転で完結しています。

今回T71編成が2度目の試運転を実施した経緯は明らかにされていませんが、いくつかの背景が考えられます。

甲府エリア試運転で何らかの不具合

高速性能・非常ブレーキ性能など、メーカーの工場内で測定が出来ない車両性能を果たすことが出来るかどうかを試験することが趣旨ですが、何らかの事情により最大性能まで出しきれなかった可能性が考えられます。

加減速度スイッチの入れ間違い・先行列車の軽微な遅延で信号開通が遅かった、測定機器または車両の機器類の不具合など、推測の域を出ないものの所定の試験項目を果たせずに再度設定することになった可能性が高そうです。

パンタグラフ損傷関連

中央本線では、6月18日早朝より架線関係のトラブルにより特急列車の大幅な運休・一部時間帯で運転見合わせが発生していました。

この支障箇所は相模湖駅→高尾駅の小仏トンネル付近上り線と言われていますが、このT71編成についても6月12日の試運転3往復目の最後に通過しています。

豊田車両センターでも破損車両が発見されている報道があったこと、当日の車両運用(JR東日本アプリで全列車情報表示取りやめ→車交多数実施?)などを考えると、公式で記されていないだけで今回のT71編成を含めたE233系・211系についてもパンタグラフに軽微な損傷があった可能性が考えられます(該当箇所の通過速度が速かったE353系のみ大きな傷で、通過速度が遅く損傷が少なかった普通車は明るみにしなかった?)。

E233系・211系のパンタグラフに破損があった可能性自体は大きいものの、加減速などの車両設計にまつわるものではないほか、時系列的にも期間が開いているので、今回の試運転との関連は低いのではないでしょうか。

ソフトウェア関連で軽微な変更

外観・走行音などは在来車両とほぼ同一の形態となっているT71編成ですが、その後の他の番台の仕様を反映したプログラム面での変更が発生している可能性も考えられます。

この場合は様々な条件で走り込みをするのも妥当ですので、条件の異なる東海道本線での試運転がされても不思議ではありません。

東海道線を走行したのは偶然?

試運転結果を差し引いても、本来であれば甲府盆地で再測定をすればいいだけにも思えます。

速度制限がない区間があれば試験が行えることを考えると、甲府盆地で出来なくて東海道貨物線なら出来る試験項目は思い浮かびません。こういった試運転は車両の所属支社管内で実施する例が非常に多く、E233系0番台では異例の動きとなりました。

先日の甲府エリアでの試運転では、最初の豊田→酒折と最後の酒折→豊田を八王子運輸区(もしかしたら豊田?未確認です)、酒折〜塩山の途中2往復を甲府運輸区……といった運用がされていました。

このような臨時列車は予備交番と呼ばれる勤務日の乗務員さんが担当することとなりますが、別の臨時列車関係で出払っていたことで設定が難しかったことが考えられます。

また、甲府エリアで試運転をした6月16日には、朝ラッシュの中央線快速電車の定期列車にも時刻変更が発生していました。これを含めたダイヤ上のしがらみで、甲府エリアでの再設定が難しかった可能性も考えられます。

以上の考察は一個人の推測に過ぎませんが、少なくとも中央線快速電車のE233系0番台が相模湾・太平洋の大海原をバックに快走する姿は非常に貴重な光景となりそうです。

内装面などの細かな点がいくつか気になりますが、ひとまずは営業運転に充当される日を楽しみにしたいですね。

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