【伊豆のなつ】東急田園都市線で活躍!8500系8614Fが廃車回送で恩田へ

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東急田園都市線では、老朽化した8500系などを対象に、順次2020系への置き換えが進められています。

このうち、長年に渡り伊豆急行線のハワイアンブルーを身にまとい、東京メトロ半蔵門線・東武スカイツリーライン(伊勢崎線)などで活躍を続けていた8614Fが6月29日に廃車回送を行いました。

観光キャンペーン「伊豆のなつ」第二弾として登場

「伊豆のなつ」は、東京急行電鉄の子会社である伊豆急行と連携して、2005年夏より東急の電車に伊豆急カラー・沿線自治体の観光PR装飾を実施するキャンペーンとして毎夏実施されたイベントです。

初年となった2005年は東横線で使用されていた8000系8007Fに装飾され、翌年の2006年からは田園都市線で使用されている8500系8614Fを対象に実施されました。

毎年7月から沿線自治体の広告が貼られたほか、シーズン以外についてもそのままのカラーリングで定期運用に充当されており、ファンにとって注目される存在となっていました。

なお、初年度に東横線で活躍した8007Fはそのままのカラーリングで活躍したのち、ジャカルタへ海外譲渡を実施。他の8000系・8500系とともにインドネシアの鉄道網を支えていました。

同僚の8000系が伊豆急行に多数譲渡されたものの、この8007F・8614Fはともに伊豆急行への譲渡対象からは外されています。

イベント終了後も丸14年そのまま活躍

8614Fに初めてラッピングが施された2006年には東武鉄道の車庫公開イベント「東武ファンフェスタ」で看板車両として展示されたほか、1年ブランクを経て2008年から2012年まで毎夏装飾を実施。それ以外の期間もこのカラーリングで活躍を続けていました。

2009年冬から2010年春にかけては「早春の伊豆号」として河津桜を中心とした装飾が新たに行われたものの、2013年に東横線の5050系通常カラーでのイベントに変更され、この8614FがPR列車として使用される機会はなくなってしまいました。

それ以降はこのイベント自体がなくなってしまったものの、この8614Fは定期検査も伊豆急ハワイアンブルーのまま通過。東武線・半蔵門線・田園都市線を通して珍しい水色の電車ということで、ファンだけでなく一般利用者にも注目される存在として今日まで活躍を続けてきました。

計画変更で生き残り?

この8614Fですが、当初は5000系により早期置き換えの対象とされていた編成です。

東急5000系は田園都市線向けに31編成の導入計画が公式発表されていましたが、リーマンショック→東急が株主だったJASの血を引くJALの経営不振→計画変更という複雑な情勢を受け、廃車候補だったところを東武直通改造を追加施工、現在まで生き残ることとなりました。

この追加改造を受けた8613Fは早々に置き換えが実施されましたが、この8614Fは上記のようなカラーリング変更で注目を浴び、一躍人気者に。同様の経緯で生き残って東武直通対応対象外だった原型車・8606Fともどもしばらく活躍を続けていました。

この8614Fはこの他にも、カラー変更当時に放映されていた人気テレビアニメ「らき⭐︎すた」内でモチーフとされているほか、車内にはローレル賞受賞プレートが掲出されるなど目立つ存在でした。

どちらも異端児としてファン・関係者から広く親しまれていましたが、ともに2020年に引退。先頭車だけが解体場に運ばれていない8606F先頭車2両と恩田にて久々の再会を果たしています。

余談ですが、この8614Fが伊豆急カラーとなってから廃車回送までちょうど14年。仕組まれたかのように6月29日の引退となりました。

8500系の伊豆急色はあと1両だけ残存!?

伊豆急行に譲渡されたのは8000系ですので、8500系の異なる前面デザインで異彩を放っていた8614F。これにより8500系由来の伊豆急ハワイアンブルーは見納め……と言いたいところですが、1両だけ例外が存在します。

これは、このハワイアンブルーを採用した伊豆急行本家で活躍する45両のうち、クモハ8152号だけが8500系デハ8723を種車に先頭車化改造を実施したことに由来します。

東急8000系列の譲渡を進めるべく、東急グループが改造試行として実施したとも噂されていますが、この真偽は定かではありません。

45両の8000系列のうち唯一8500系を由来とする車両ですが、外見・内装ではあまり区別もつきませんので、ご存知ない方も多いのではないでしょうか。

尤も、このクモハ8152号を含むTA-7編成は東京急行として活躍していた頃のステンレス無ラッピング(無塗色ステンレス)を再現しているため、当面は伊豆夏カラーの8500系は見納めとなります。

伊豆急行の8000系列についても、置き換え時期とともに、置き換え対象がJR車・東急車どちらになるか?と噂される時期に近づいています。

このTA-7編成のほか、伊豆急譲渡対象となった8000系は軽量車であるクハ8004号、東急時代の車番をそのまま継承した8011号など、個性的なメンバーです。

残された期間を大切に記録するとともに、ハワイアンブルーのカラーリングが次世代へ継承されることを願って止みません。

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