中央線快速電車では、E233系が10両貫通編成が42編成、6+4両分割編成が17編成の59編成活躍しています。
それに加えてE233系10両1編成が投入される噂がここ1年くらいファンの間で飛び交っていましたが、いよいよ複数の目撃情報も出てきて(撮影禁止なので信憑性の保証は難しいものの)現実味を帯びてきました。
T70編成ともT71編成とも言われるこの車両。背景や展開を推測しつつ、中央線や転配に絡むと言われている京葉線の今を考えます。
中央線E233系改造と予備車確保
中央線のE233系はまだまだ若い車両のイメージですが、最初に登場したH43編成は2006年。最後に登場したT42編成で2008年と既に12年から14年も活躍しています。
現在、中央線快速電車では、在来車両E233系にグリーン車2両増結・普通車へのトイレ設置改造が進行しています。
あわせて地上設備の改良も進められており、駅の配線変更・ホーム延長・信号設備改良・豊田車両センターの延伸などが続くビックプロジェクトです。
車両側については、まずは普通車へのトイレ設置と、将来的なグリーン車組み込みのための準備工事のみを先行して実施しており、既に改造が行われた営業車両から順次トイレが使用できる状態となっています。
この改造は東京総合車両センター・長野総合車両センターの2区所で同時進行していましたが、最近になって新たに大宮総合車両センターへの入場車両も登場しています。
この改造に備え、2015年には青梅線減便で余剰となった青659編成+青459編成がH59編成として転入しているほか、2019年より常磐線各駅停車・千代田線直通で活躍していた209系1000番台2編成を転入させており、3編成分の余裕を作っていました。
そもそも京葉線向けは1編成マイナス
京葉線のE233系は、10両貫通編成が20編成、6+4両分割編成が4編成活躍しています。このほか、209系500番台1編成が残留しています。
彼らの公式発表を遡ると、落成前の2009年9月に出されたプレスリリースでは、京葉線向けのE233系は250両=25編成分が製造されることが告知されていました。
しかしながら、何らかの要因により計画が修正され、投入から何年も経過した現在でも1編成の投入減となった経緯・209系500番台ケヨ34編成が残留した背景などは公言されていません。
E233系投入後も置き換え対象ではなかったE331系の存在などが背景として考えられるものの、京葉線の10両編成は201系・205系・209系500番台の体制になってからも時折車両数の増減がありましたので明確な理由を探すのは難しそうです。
結果として4編成配置されていた209系500番台のうち、ケヨ34編成のみが現在も京葉線に残留して機器更新も施工されています。
一方で、現在は武蔵野線で205系代替のため、中央・総武線各駅停車から209系500番台・E231系の転入が大詰めを迎えています。
転入する車両数と205系の編成数から、1編成程度不足するのではないか?この数の補填の為に何らかの転用が実施されるのではないか?といった推測がここ数年継続していました。
また、2020年度末には房総地区ローカルについて新型E131系投入・閑散区間のワンマン化の動きがありますので、このダイヤ改正か将来的な動きとして京葉線からの直通列車・京葉線車両の運用数増加があるのではないか?と推測する声が以前よりありました。
まずは製造車両の仕様に注目?
ファン推測で考えられるシナリオとしては、数パターン考えられます。
中央快速線の予備車確保
まず思いつくのは、やはり現在進行形の改造工事の予備車増加でしょうか。
東京・大宮・長野で実施されている、普通車のトイレ設置工事・将来的なグリーン車組み込みの準備工事の加速化とともに、将来的な編成組み換え・機器更新に備えた予備車増加とする動きです。
1編成をトイレ付き新造車とすることで、更なる改造ペースアップ・そして最終的に未改造の1〜2編成のE233系を他線区へ捻出出来ます。
この場合は、0番台の仕様に酷似した車両が製造されることとなります。
世代が大きく異なるE233系となることから細部の設計は大きく異なるものとなりそうです。
このため、何らかの番台区分も推測出来ますが、既に分割編成で500番台を使用済です。このほか、電動車で200番台刻みを使用済ですので、続番である71番〜(一部の43〜69は欠番)や既存の0番台+100番台となる100番〜・101番〜辺りでしょうか。
5000番台を一時的に中央線へ
このほか考えられる動きとしては、上記のような投入経緯としつつ、改造期間中の予備車確保として、新造する5000番台を一時的に中央線で使用するというものです。
改造工事完了後に京葉線で仕様が揃えられることが出来るので、一定のメリットはありそうです。
209系1000番台の置き換え
現在予備車として2編成が活躍する209系1000番台ですが、半自動ドアスイッチがないなどの理由から限定運用が組まれています。この代替を進めるのではないか?という推測もあります。
鉄道車両の製造は発注から納車まで1年以上となることが一般的ですので、間もなく出てくるという噂を考えると現実性は乏しいものとなります。
機器更新だけでなく、防犯カメラ・新型ラッチ化などJR東日本全体で急速に進んでいる改造が一部行われていないことからこの推測もあるようですが、登場経緯や当時の組合資料などを考えると少し考えにくいところです。
未改造の0番台を玉突き転用
現在進められている0番台へのトイレ設置・12両化対応が実施されているものの、改造工期も長いものとなっています。
58編成前後となる改造対象車両を少しでも減らすため、京葉線向けの増備分を中央線に投入。在来車をすぐに1編成捻出することで、武蔵野線205系の置き換え完了を遅らせることなく終えることが出来そうです。
一見すると京葉線に仕様違いの車両が発生することや、直接京葉線に投入した方が効率が良さそうなど、デメリットが目立ちます。
しかし、0番台の改造コストがそれなりに発生しているとすれば、京葉線に直接投入するよりはこちらの方がトータルコストを抑えられる……という可能性はそれなりにあるとも言えそうです。
H59編成を含めて既に3編成の編成増がされており、中央線での予備車が足りていないとも考えにくいことから、筆者はこれが一番可能性が高いと感じます。
どのような動きになるかは引き続きファンの間で推測・議論が絶えないところですが、今回の中央線への増投入が事実であれば、中央線・京葉線を中心とした何らかの車両の動きが発生しそうです。
まずは事実であれば遠くないであろう実車の登場を待ちつつ、今後の展開に期待したいところです。
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