JR東日本では、以前より沿線と協議を進めてきた京葉線・新習志野駅〜海浜幕張駅間の幕張新都心新駅(通称)の工事着手を発表しています。
京葉線では全線開業以来初の新駅建設となるほか、幕張新都心の活性化への期待で注目されています。
工期は2年半?2023年開業へ
「幕張新都心拡大地区新駅」として京葉線の新習志野駅〜海浜幕張駅のちょうど中間に新駅誘致の動きが以前から続いていましたが、今月遂に着工となります。
このエリアには2013年にイオンモール幕張新都心が開業しているほか、今後も更に開発が進められる計画となっています。
イオンモール開業以来、この区間は海浜幕張駅から京成バスによる有料バスが運行されています。
幕張エリアは総武線と京葉線が東西を結んでいるものの、南北方向の鉄道は船橋か千葉を経由する必要があり、連節バスによる高頻度運行もされています。
総武線沿線からこの新駅周辺へのアクセスについては、広大な京葉車両センターと湾岸幕張パーキングエリアが阻んでいるため、公共交通機関では海浜幕張駅に頼るしかありませんでした。
幕張副都心の拡大とともにこの新駅建設の気運が高まっており、設計出来たところから工事に順次着手する方法が採られたこと・見直しによりコスト削減が期待出来たことなど後押しもあり、事業費負担が決まってからはトントン拍子となっています。
イオンモール1/2、千葉市・千葉県・JR東日本が1/6ずつ負担することとなっています。当初の概算事業費から大きく減額されており、126億円程度とされています。
今回のJR東日本のプレスリリースでは2023年開業と抽象的ですが、過去に千葉県などが発表している計画に沿えば3年半の工期が1年程度短縮とされていますので、このまま順調に進めば2023年度末から2022年度末への短縮となりそうです。
着工から竣工まで2年半程度というスピード感は、大規模事業にしてはかなり早いペースと言えるのではないでしょうか。
早くも駅名が注目?レイクタウンの例を推測する声も
今回の幕張新駅ですが、駅名については未定とされています。
早速ファンの間で推測が飛び交うこととなりますが、最近の新駅の名付け方が数パターンに分かれているので、これらのいずれかになるのでは?という意見が有力です。
賛否あれど「高輪ゲートウェイ」が珍しい名前で注目されたことから、一風変わった名称を付ける可能性もそれなりにありそうです。
越谷レイクタウンっぽい名前
同じ東京メガループでは、武蔵野線に開業した新駅にて、ショッピングモール「レイクタウン」の名称をそのまま使用した「越谷レイクタウン駅」が開業しています。
今回もイオンモールの最寄り駅であり、事業費の半分をイオンモールが負担することから、似たような名付け方をするのではないか?と推測するファンも多そうです。
駅名は大きな宣伝効果があることから、越谷同様に会社名である「イオン」を使う可能性は低いでしょう。「幕張モール」・「幕張新都心モール」辺りが現実的と言えそうです。
なお、近隣の大型店舗は「イオンモール幕張新都心」・「コストコ幕張倉庫店」となりますが、駅名に倉庫……は考えにくいですね。
高輪ゲートウェイっぽい名前
2020年の新駅となった高輪ゲートウェイ駅ですが、JR東日本が新たな玄関口としての想いを加えた、地名などとは無関係の派手な名前で注目を集めました。
自社の空き地再利用・周辺開発も自社グループだったからこそ出来た自由さを考えると、沿線自治体の負担も大きい今回はここまで派手な名称にはならないのではないでしょうか(地元が希望する場合もありますが)。
漢字の長めの名前
最近の新駅だと吉川美南駅のような、地名と連動させて大規模開発の拠点となるような字面も意識した漢字駅名も選択肢になりそうです。
吉川美南駅は吉川市の請願駅だったために駅名希望が吉川市から出される動きとなりました。
今回の幕張新駅もJR東が1/6の負担しているとはいえ、大半は沿線自治体持ち。地元の意向でカッコいい漢字駅名に落ち着く可能性は高そうです。
この場合は無難に「幕張新都心」辺りでしょうか。近くにある京成バスの車庫も「新都心営業所」となっています。
このほかの近隣施設として「湾岸幕張PA」がありますが、こちらは京葉道路・湾岸道路の区別名称です。
将来的には自由通路も?
工期短縮・予算削減のため、同時計画されていた新駅東側で京葉車両センターを縦断する自由通路の建設は見送られることとなりました。
北側に出られるようになれば、免許センターなど路線バスが担っている需要も移ることとなり、利便性・利用者数向上に期待も膨らみます。
車両センターを跨がることで工期が新駅設置以上となることが課題ですが、幕張エリアの利用動向の変化次第では後追いで建設される可能性もありそうです。
ファンの見どころは京葉車両センター!
今回の新駅は沿線からの期待も高いですが、鉄道趣味の観点では京葉線・武蔵野線の車両の拠点となっている京葉車両センターの真横に駅が出来ることが大きいでしょうか。
2020年3月に開業したばかりの高輪ゲートウェイ駅では、開放感あるガラス貼りのデザインが採用されています。同駅は品川駅電留線(旧・田町車両センター)の真横となり、東海道線や常磐線、踊り子号・ひたち号・サンライズエクスプレスなどの在来線特急、遠くには東海道新幹線も一望出来る、“ビュースポット”となっています。
今回の幕張新都心新駅についても、京葉線のE233系・武蔵野線のE231系,209系500番台が行き交う姿を見ることが出来そうです。
駅本屋は鉄骨造1階建てとのことですが、下りホームのすぐ横が車両センターです。車窓から見られる車庫は多くても、駅からじっくり観察出来る車庫はあまり多くありません。
一方、駅舎側となる上り線は高架。一部報道のイメージ画像通りであれば、ホーム両端の数両分の壁にガラス貼りの壁となっている箇所が見られますので、車庫を行き交う電車を一望出来る可能性が高そうです。
電車好きなお子様などの新たなスポットとなることに期待は持てるのではないでしょうか。
京葉線は全線高架という路線構造ゆえに、写真撮影ポイントが少ない路線です。
上りホーム東京寄りから下り列車がキレイに撮ることが出来れば、俯瞰気味の構図で撮影することが出来るかもしれません。
先述の自由通路が建設されれば、更に注目を集めそうです。
また、アクセスが容易になることで、従来は両駅から2km近く距離があった京葉車両センターの公開イベントなどのハードルも下がりそうです。
進化を続ける京葉線
開業してからしばらくの間、京葉線は雑多な車種が魅力でしたが、現在はだいぶ統廃合が進められています。
京葉線で孤軍奮闘している209系500番台ケヨ34編成についても置き換えの噂が絶えませんが、新駅の開業を見届けることが出来るのか。貨物列車についても国鉄時代に製造されたEF64形・EF65形が徐々に勢力を弱めており、駅開業後に撮影出来るチャンスはあるのか。
武蔵野線の世代交代もまもなく完遂となりそうですが、今後の進化も見守りたいところです。
コメント
いつもお疲れ様です。
京急sic車が都営、京成に直通したことについて記事にしないんですか?