【13編成で“小休止”?】横須賀線・総武線快速E235系J-13編成が出場

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横須賀線・総武線快速電車では、E217系からE235系1000番台への世代交代が進められており、少しずつ見かける機会が多い存在となってきました。

2021年度に入ってからも高い製造ペースが維持されており、2021年6月14日にはJ-13編成が鎌倉車両センターへ配給輸送されたほか、総合車両製作所新津事業所ではF-13編成の製造も確認されています。

しかしながら、E235系1000番台の出場の動きはF-13編成・J-13編成で“小休止”となりそうです。

間髪入れずに出場が続いたE235系

2021年はじめから2021年6月現在まで、1ヶ月に基本・付属各1本以上のかなり早いペースで出場しており、概ね新津事業所が稼働日1日辺り1両程度の生産とされている、最大能力に近いペースで製造が進められてきました。

E235系は基本的に総合車両製作所(J-TREC)新津事業所で製造されていますが、1000番台のグリーン車に限り横浜事業所で製造されています。

これは、新津事業所が全身のJR東日本新津車両製作所として設立した頃から、通勤・近郊タイプの一般形電車の製造に特化した工場とされていることが背景です。現在置き換えられているE217系をはじめ、E231系・E531系・E233系についても同様です。

E235系1000番台では、横浜事業所で製造されたグリーン車が先に新津事業所までJR貨物による甲種輸送(貨物列車としての輸送)をしたのち、新津事業所で製造された普通車と組み合わせて構内試験、新潟エリアで試運転とともに入籍、そしてJR東日本の配給列車(機関車牽引の回送列車)として鎌倉車両センターへ輸送する流れとなっています。

この関係で、E235系1000番台の基本編成が落成する数ヶ月前に数編成分のグリーン車が一旦本線上を車籍がない状態で輸送されており、その車体表記から新潟での完成月が判明する……といった流れがファンの間で知られています。

複数編成分まとめて輸送されるうち、直近(若番)の車両が翌月〜2ヶ月先の落成予定となっている事例が多い印象です。

しかしながら、前回のグリーン車の輸送は2021年4月に実施されたF-12編成・F-13編成用の4両となっており、F-14編成以降のグリーン車の輸送は2021年6月14日現在、未だ実施されていません

F-01編成の製造から現在まで、新津で完成した基本編成の出場より前にその次のグリーン車が搬入される……といったサイクルで進行していました。この動向から、一時的にE235系の製造・出場に期間が開く状況となりそうです。

現在の新津事業所では、相模線向けのE131系500番台・宇都宮エリア向けのE131系600番台の製造が複数目撃されており、計画的にこれら新区分の製造を優先しているものと考えられます。

E131系も落成後に試運転期間が必要となることから、205系と同数の製造を夏季に急いでするとも考えにくく、0番台同様にダイヤ改正に向けて小出し小出しに登場する流れとなりそうです。

もちろん、745両のE235系1000番台を2023年度までに製造するためには、それなりの期間と置き場所が必要です。少し期間を開けたのちに再び製造を再開する(している)こととなるでしょう。

そのため、2021年度下半期は昨年度同様にE235系とE131系の製造が並行して進むこととなりそうです。

運用状況からも代替はしばらく先か

横須賀線・総武線快速電車系統では、2020年3月のダイヤ改正時点で01S〜15Sの8運用が基本編成+付属編成のペアを崩さない運用で組まれており、2020年末のデビューから2021年のダイヤ改正までは大方ファンの予想通りこれらの運用へE217系とともに使用されてきました。

これは、制御装置が最新のINTEROSとされたE235系では制御装置がMON17のE217系との併結・読み替えを考慮しておらず、試運転を含めてE217系・E235系の混結は実施されていません

同じTIMSを搭載しているものの、世代が異なるE231系とE233系が併結・読み替えに対応していた点を考えると意外にも思えますが、上野東京ライン・湘南新宿ライン系統のような長期間の混用ではなく、あくまで世代交代の一時的なものとなることが背景と推察できます。

そのため、定期列車への充当にあたって、E217系とE235系の運用をある程度分離する・置き換え途上で双方が入る可能性がある列車は分割後の併結が同一編成とする……といった車両運用で対策をしている状態と見られます。

2021年3月のダイヤ改正では新たに25SまでE235系が充当される運用が拡大しました。新たに増やされた運用のうち、19〜25Sについては基本編成4本・付属編成3本で担っており、初めて運用中に併結相手が変更される運用が組まれてE235系専属の運用とされています。

そのため、現時点でE235系が充当される列車・運用は、列車番号末尾25S(F)までの基本13,付属12運用となっています。時刻表を眺めていればどちらの車両がやってくるのか、ある程度分かる格好です。

2020年3月改正時点で最大8運用=2020年度に8編成導入・2021年3月改正で最大13運用(基本13/付属12)=現時点で13編成の製造とされていることを考えても、このタイミングで製造が一旦中断することに合理性があるように思えます。付属編成が1編成持て余す状態ですが、逗子〜久里浜間に付属編成単独運用もあるため、特別支障はなさそうです。

今後E235系1000番台の運用を拡大する場合、既存のE217系の運用をまとめて置き換える必要が生じます。

2021年度下半期も引き続きE235系1000番台が投入されるものと思われますが、次回の運用拡大は2022年春のダイヤ改正を待つかもしれません。=(7/7追記:)2021年6月末に出された資料により、年度内の製造がない可能性が高いです(後述)

または、15Sまでの8運用は両形式ともに使用出来る構成のため、どこかの日からE217系運用のまとまったグループをE235系に置き換えて、共通運用にE217系を投入する車両交換により運用拡大することも考えられます。

ダイヤ改正まで投入を待つ場合、E235系1000番台のデビュー前の車両同様に、横浜支社管内や幕張車両センターなどへの疎開措置が再開する動きが予想できますが、このためには先に各地で疎開を繰り返すE217系などの廃車解体を進める必要が生じます。

E217系の解体を東京総合車両センターで新たに実施・215系を青森で解体・後回しにされている185系をやっと解体……と、JR東日本各支社を巻き込んで複雑な動きが進行しており、今後の短期的な動向推測は難しそうです。

過渡期ならではの動きは今後も続くかと思いますが、イレギュラーな疎開回送とともにE217系の勇姿もしっかりと記録しておきたいですね。

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