【東京機関区出身】風前の灯火の田端EF65PFの今昔~貨物譲渡も

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鉄道ファンの間では、6月5日はロクゴの日……ということで、今日もJR東、西、貨物で活躍を続けるEF65形電気機関車が話題となっています。

そのなかでも、最も花形運用に就いていた機関車たちが現在の田端運転所=国鉄時代の田端機関区に配置されて活躍をしているのは、元東京機関区のブルートレイン牽引機たちです。

彼らの生い立ちや近年話題となった列車をおさらいしつつ、彼らの余命宣告についてまとめました。

EF65 500番台P型の置き換え用として登場

EF65形自体は1965年から製造が始まった形式ですが、現在501号機以外の稼働機である1000番台=PF型が登場したのは1969年です。

PF型という名前の通り、P型の旅客輸送機能とF型の高速貨物・重連総括牽引機能を兼ね備えた万能機として登場しました。

東海道方面のブルートレイン牽引用として製造されたのは7次車で、1092〜1095号機は下関運転所、1117、1118号機が新鶴見機関区に配置された以外の21機が東京機関区に新製配置となりました。

EF65 500番台が牽引をしていたブルートレインを置き換える形となりましたが、その後下関車両所に配置されたEF66形によって運用数を減らしましたが、その後も短距離・中距離便を中心に寝台特急牽引をしていました。

「出雲」「瀬戸」のサンライズ化・急行銀河号の廃止で活躍の場を減少

国鉄分割民営化前に東京機関区無配置化・継承会社に合わせた配置換えが行われ、JR東日本には7次型のうち1098〜1116号機と1118号機が継承されました(東北本線運用=宇都宮運転所に系譜がある初期型を除く)。

EF66形投入後も残された運用は出雲号・瀬戸号といった九州まで行かないブルートレインと、大阪止まりの急行銀河号といった列車です。

JR化後少しずつ臨時踊り子号牽引がなくなったり、上野口の運用が無くなったり、その他の急行ちくま号が383系に置き換えられたり、出雲号間合いの彗星号牽引が無くなったり……と少しずつ運用を狭めていきましたが、初期型からの引退となっています。

大きな引き金となったのが、2往復あった出雲号のうちの1,4号と瀬戸号を統合する形で電車化したサンライズ出雲・瀬戸号の登場です。

2006年3月改正で出雲号が廃止となりました。

ここまでの運用縮小で7次型でも1098,1099号機が廃車となったほか、1101号機と1116号機がJR貨物に譲渡されました。

このうち1101号機はJR貨物にて機器更新を施工、後に2000番台化、更に原色復元もされて現在も活躍しています。

2019年の大宮総合車両センター公開にて1102号機と並べて展示された2101号機です。

かつての同僚が異なる会社に行ってもかつての姿で並ぶ……古参のファンには嬉しい展示でしたね。

出雲号廃止後は、2008年3月改正に急行銀河号が廃止となり、東京機関区時代から一貫して運用されていた東海道筋での定期運用を失うこととなります。

これにより1100号機と1112号機~1114号機が廃車となりました。

1100号機のスノープロウは、同機の解体作業後にスノープロウが設置された1107号機に譲られたと見られています。

この時期は田端のPFにとっては暗い時期ではあるものの、JR貨物の保安装置更新の為に501号機とともに貸し出しが日常的に行われ、スーパーエクスプレスレインボー塗装の1118号機を含めた田端PFの貨物牽引が人気となっていました。

特に中野駅まで出入りする東西線関係の甲種輸送には保安装置都合か専属にて充てられていました。

東海道ブルトレで奇跡の復活劇

貨物貸出機が珍しい編成を牽く時以外は、近年のように工事用臨時列車を牽引する日々が続いていた田端のPFたちですが、富士号・はやぶさ号が統合編成となってから3度、EF66形の不調・故障が原因でブルトレ牽引に充てられています。

特に話題となったのは、列車の廃止が報道された直後に、2列車を牽引していたEF66形がシカ衝突により損傷が発生してしまった日でしょう。

夕方までに応急処置……が間に合わず、その日発の1列車~翌日の2列車を、ヘッドマークを掲げた1107号機が牽引しました。

1107号機は銀河号廃止とともに引退した1100号機からスノープロウを譲り受けたため、その形態で寝台特急を牽引したのは最初で最後となっています。

登場当初から行われていたEF65形のブルートレイン定期列車牽引も、この日が最後の出来事となりました。

更なる運用縮小で将来は絶望的

現在は工臨で往年の東海道線をはじめとする首都圏近郊で1102〜1105号機・1115号機が細々と活躍を続けています。

2015年3月付で1105〜1107号機の廃車が予定されていたものの、1118号機が故障により廃車とされ、1105号機は九死に一生を得た格好です。

残された彼らについても、工臨用気動車キヤE195形の運用開始で長い歴史に幕を閉じることと思われます。

工臨用気動車の投入や、秋田総合車両センターでの機関車検査の終了など、機関車廃止に向けた動きも加速しています。

最近すっかり音沙汰なしのキヤE195形が運用と量産が開始されるまでの僅かな期間ではありますが、往年の姿に限りなく近い彼らの最後をしっかりと目に収めたいですね。

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動画資料集

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