JR東日本では新潟地区のキハ40系列置きかえを目的として、電気式気動車GV-E400系を製造し、試運転を続けていました。
長らくの性能試験・乗務員訓練を終えて、いよいよ2019年(令和元年)8月19日にデビューとなります。
ハイブリッド車や蓄電池車、今後は燃料電池ハイブリッドなどと様々な新技術を投入するJR東日本があえて電気式気動車を選択した思惑、置き換えスケジュール、そして運用開始後のダイヤに迫ります。
初めて電気式気動車を投入した理由は?
現在新潟地区では、国鉄設計のヨンマルことキハ40系列のほか、民営化後に大量製造されたキハ110系列、比較的近年に製造されたキハE120系列が活躍しています。
全国各地で今も多くが活躍しているキハ40系列を本格的に置き換えるため、大量発注されたのが電気式気動車・GV-E400系です。
キハ110系列同様の1両単独仕様のGV-E400と2両編成仕様のGV-E401・402の3形式で増備が進められており、2019年8月19日に運用を開始します。
これにより老朽化したキハ40系・キハ47系・キハ48系を新潟地区から一掃する計画です。
同様の置き換えは秋田地区でも計画されているほか、JR東日本では今後、気動車の置き換えに注力していく計画が垣間みれます。
今回の大きなポイントとしては、JR東日本が従来製造してきた「ハイブリッド式気動車」でも「蓄電池駆動車」でもなく、「電気式気動車」とした点が挙げられます。
この電気式気動車は、従来の気動車がエンジンを駆動させているところを、ディーゼルエンジンで発電をすることで、電車同様にモーターを使って加速をする構造です。
日本国内では北海道・愛知で活躍するDF200形ディーゼル機関車で採用実績自体は昔から存在しますし、構造はハイブリッド気動車に比べればシンプルです。
今回の投入線区では、烏山線や男鹿線のような短区間を行ったり来たりという投入線区ではないため、まず蓄電池車は選択肢に入らなかったことでしょう。
そして、今まで投入されてきたHB-E300系・HB-E210系は少数精鋭としての活用が主でした。
今後の標準車として投入していくとした場合、ハイブリッド機構のイニシャルコスト(=製造費用)の高さから、大量増備には不向きという判断となった可能性が高そうです。
このほか、蓄電池を搭載することで車体重量が増加する点もハイブリッド車のデメリットです。
置き換えは急速に進む!?
新潟地区では、羽越本線・磐越西線・只見線・信越本線と多岐に渡る気動車運用が組まれていますが、キハ40系列とキハ110系・E120系で運用が大別されています。
そのキハ40系列の運用についても、近年の新潟駅高架化・ATS-P運用開始にあわせて、一部の列車がATS-P搭載車を両端に繋げた4両編成・それ以外の車両の3両編成・2両編成といった構成で運用分けがされています。
このキハ40系列の運用分のうち、3両編成で運用されている列車が2019年夏の投入開始分となります。
一方で、4両編成・2両編成での運用分については今回すぐの置き換えではないものの、これらも2020年(令和2年)3月ダイヤ改正までに引退することが発表されています。
先述のJR北海道向けのH100系については、耐寒耐雪性能を見極めてからの量産化となるのでもう少し時間がかかるとみられていますが、こちらも既存車の老朽化が深刻ですので動向が気になります。
国鉄時代に大量製造・JR旅客6社全てに引き継がれた上、JR東海以外は未だに多くの車両が残存するキハ40系列。
国鉄時代の同僚たちの後を追うように、少しずつ数を減らしているキハ40系列を楽しむのは今のうちとなりそうです。
キハ40系3両→GV-E400系3両 運用表
運用①
列車番号 | 始発駅 | 始発時刻 | 終着駅 | 終着時刻 | 備考 |
2236D | ●新津 | 16:52 | 馬下 | 17:20 | |
2239D | 馬下 | 17:28 | 新津 | 17:56 | |
133D | 新津 | 18:54 | 新発田 | 19:26 | |
134D | 新発田 | 19:50 | 新津 | 20:23 | |
837D | 新津 | 20:30 | 鼠ケ関▲ | 22:46 |
運用②
列車番号 | 始発駅 | 始発時刻 | 終着駅 | 終着時刻 | 備考 |
820D | ●鼠ケ関 | 6:44 | 新津▲ | 8:55 |
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