【北海道新車】新型H100形量産車登場・GV-E400系との意外な違いは?

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JR北海道では、非電化路線の普通列車はほとんどがキハ40系にて運行されており、老朽化が深刻な課題となっています。

代替車として開発されたH100形、ついに量産車の甲種輸送が実施されています。

兄弟車GV-E400系とほとんど同一のこの車両、意外な違いも存在します。

キハ40系の深刻な老朽化

JR北海道では、国鉄分割民営化後に特急型気動車製造による高速化が達成されています。

また、札幌近郊の電化区間については721系・731系・733系・735系といった近郊型電車を投入して車両置き換えを進めてきました。

それ以外の地域ローカル輸送を担う気動車はほとんどがキハ40系列で運行されている状態が30年以上続いています。

これに対処するため、次世代形の普通列車用気動車として開発されたのがH100形です。

JR東日本のGV-E400系の設計をほぼそのまま導入する格好となり、耐寒耐雪設計自体はGV-E400系にも存在するために最適な選定だったいえるでしょう。

JR北海道がどうしても譲れなかった意外なところ

GV-E400形をほぼそのまま投入されたH100形気動車。

ニュース等でも散々見かけるように、JR北海道の経営状態は補助金でも賄い切れていないほどの深刻な赤字状態です。

今回の車両はJR東日本の設計をほぼそのまま投入している形となっており、自社の従来車の設計構想などとは大きく異なる仕上がりとなっています。

甲種輸送では、羽越本線普通列車との離合が見られれましたが、やはり横並びで見てもカラーリング以外の大きな違いはありませんね。

唯一異なる点として、連結器回りの構造があります。

甲種輸送の両端は貨物列車として運ぶために自動連結器が付けられているものの、中間部に入った連結面では密着連結器が採用されています。

これ自体はGV-E400系と同じですが、GV-E400形搭載の電気連結器がH100形には存在しません

これは連結運用をあまりしないからではなく、北海道の厳しい環境が背景でしょう。

従来車の気動車では特急型にて密着連結器の採用実績がありましたが、彼らについても従来からのジャンパ線接続方式で連結を行っています。

電気連結器は繊細な構造ですので、厳寒の北海道では雪が入り込む可能性が非常に高くなってしまいます。

連結とともに配線接続が出来て省力化に貢献する電気連結器ですが、このリスクを避けてJR北海道では採用実績がありません。

今回も連結器についてはしっかり設計変更により、ジャンパ線接続方式としています。

GV-E400系では採用された電気連結器設置のためにスカート下部に切り欠きが存在します。

このスカート切り欠きはH100形にもそのまま継承されており、この車両がいかに共通化による製造コスト削減に特化しているかを垣間見ることができます。

JR北海道の普通列車用気動車たち

キハ40形が代替車の登場もなく元気に走り回っていますが、代替について無策だったわけではありません。

まずは、電車区間への直通列車充当を目的にキハ201形を3両4編成投入しています。

電化区間・非電化区間直通列車について、気動車の性能を大幅に向上させることで電車との協調運転を可能にした化け物スペックの足回りで大きな話題となりました。

しかし、そのハイスペックな設計が製造コストを大きく増加させたほか、3両編成という設計も札幌近郊地区の利用が多い線区でしか活用できません

彼らの増備はその後されることはありませんでした。

また、日高線のキハ40系の代替として、第三セクターなどでも採用事例が多いNDC・キハ130形を11両導入しています。

こちらについては一重2段窓・デッキなし構造といった暖地向け構造をほぼそのまま投入したために冬期の車内保温能力が低いという問題が存在しました。

そのうえで、海沿いを走る日高本線では、車体を潮風が蝕んでいきます。

在来車に比べて薄いボディで軽量化されていたキハ130形でこの塩害が致命的になりました。

こちらもこれらの課題があり、結局キハ40系に再度代替されています。

そして、このキハ130形が踏切事故で事故廃車された代替開発のキハ160形は試験車となりました。

唯一の成功例といえる車両には、キハ150形があります。

JR東日本で大量導入されたキハ110形をベースとしており、27両が各地で活躍しています。

ただ、彼らはキハ40系列よりさらに古い国鉄型気動車の置き換えのために製造されていますので、代替車とはなりませんでした。

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動画資料集

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