ラッシュ時間帯の混雑緩和を目的に、鉄道事業者各社で行われているオフピーク通勤運動「時差Biz」。
その中でも、毎年夏のキャンペーン期間の注目の路線として、東急電鉄が屈指の混雑路線の田園都市線に専用種別「ライナー」を運転しているほか、東横線では時差biz特急が運転されています。
イベントの詳細や、昨年までとの違いについてお伝えします。
そもそも「時差Biz」ってなに?
東京都とその郊外の鉄道路線では、依然として朝夕の通勤ラッシュが問題視されています。
旧来のオフピーク通勤への呼びかけを更に加速するために、鉄道事業者などと連携して2017年(平成30年)より推進が始まり、特に時差Biz集中取組期間というキャンペーン期間には各社にて増発や利用者への還元などが行われました。
2019年(令和元年)のキャンペーンでは、翌年に迫る東京オリンピック・パラリンピック開催を想定して例年より半月遅い7月後半の実施となったほか、在宅・サテライトオフィスでのテレワークの推進、列車の増発のほか流入自動車を抑制する交通需要マネジメントと合わせて「スムーズビズ」としています。
キャンペーン期間の鉄道事業者の列車増発
キャンペーンとして3年目の実施となる今年も、混雑が激しい路線を中心に行われています。
JR東日本〜山手線・中央総武緩行線
東京の大動脈である山手線のほか、都内屈指の混雑率である総武線系統にて各方向1本ずつ運行されています。
京王電鉄〜京王ライナー時差Biz号が新登場
従来の京王ライナー1号・31号より早い16時〜17時台に下り2列車が運行されています。
朝ライナーを運行している京王電鉄ですが、ライナーを使った夕方の臨時列車は初登場となります。
東京メトロ〜今回は日比谷線・半蔵門線・南北線
前回の冬には混雑が激しい東西線で行われていましたが、今回は上記3路線となっています。
日比谷線は北千住→霞が関駅の定期回送を活用、半蔵門線は東急からのライナー乗り入れ、南北線は出庫列車の延長運転となっています。
その他の各社でも、着席サービスへのポイント付与などの様々な取り組みが今年も行われています。
東急電鉄の取り組み
各社の路線が増発・延長運転と既存のダイヤをベースに運行している一方で、東急電鉄では初年度から定期列車のダイヤ改変を行って速達列車を運行しており、ファンから最も注目されている事業者です。
田園都市線の専用種別「ライナー」は従来の最速達種別の急行より停車駅を絞っていることが特徴の列車です。
これは、ピーク時間帯の混雑平準化のために準急としている田園都市線において、速達性をアピールすることで利用者の注目を集めるという戦略です。
実際には大井町線直通急行の続行で走っているため、日中の急行よりは所要時間がかかっています。
ただ、朝ラッシュの田園都市線の現状を考えればかなりの訴求力がある種別です。
また、東横線では元町・中華街駅→渋谷駅で特急を運転しており、こちらは直通主体の現状ダイヤでは珍しい特急渋谷行きであるほか、更に昨年度までは8両編成の特急でしたので、こちらもファン人気が熱い列車となっていました。
昨年との違いは?
東横線〜時差BiZ特急の10両化
昨年までは8両編成の特急が毎日見れるということもあり、多くのファンの注目を集めていた東急東横線の時差BiZ特急の10両化が挙げられます。
朝ラッシュの59K運用(下り日吉駅スタート)の前運用として設定することで、10両編成での運行を実現しています。
この時差BiZ特急の乗車率によるものではなく、運用上の都合がついたことや、10両編成の車両数増加・8両編成が減少という車両情勢が加味されていそうですね。
今年は側面のラッピングもなく、ヘッドマーク掲載と運行番号45K以外は土休日に運行されている特急渋谷行きとの違いがなくなってしまいました。
田園都市線〜謎の変運用が発生
今年も中央林間→押上→長津田という1往復の増発という形態でしたが、なぜか押上駅で定期列車の53S運用と車両交換を行う設定となっています。
前日の車両運用乱れもあったものの、翌日にも引き継がれていますので、今年はこれが所定の取り扱いとなっている模様です。
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