2020年4月15日、京阪電気鉄道は開業110周年を迎えました。
京阪電車では開業110周年を記念して一部の車両に「記念ヘッドマーク」を掲出しています。
天満橋~五条間からはじまった京阪電車
京阪電気鉄道が創立されたのは今から114年前の1906年11月のことです。創立当初から大阪と京都の間に鉄道を開通させることを目的としていましたが、軌道条例による特許のため、予定路線の3分の2は一般道との併用区間でした。最終的に路線計画の変更により、併用区間は3分の1までに減少しました。
当初、京都側の終着駅は現在のJR京都駅近くにある塩小路付近を想定していました。しかし京都府の提案により、塩小路~五条間は疎水の堤防の上につくられました。1915年には三条への乗り入れを果たしています。
一方、大阪方は大阪市との契約により、大阪市電への乗り入れを想定して天満橋を起点駅としました。当時、大阪市は「市内中心部の交通は大阪市が担う」という「大阪モンロー主義」を唱えていました。大阪市中心部にあたる淀屋橋への乗り入れを果たしたのは1963年のことです。1910年4月15日、天満橋~五条間に1番電車が走り、1913年には宇治線が開通しました。大津線(京津線、石山坂本線)は1929年までに他社を合併する形で京阪電気鉄道の路線となりました。最も京阪に加わるのが遅かったのが交野線で、1945年交野電気鉄道から事業譲渡を受けています。
開業以降、京阪電車は「テレビカー」や5扉車などユニークな車両を次々と誕生させました。2017年には次世代のサービスを目指して有料座席指定車両「プレミアムカー」を特急列車に導入しました。これからも新サービスを展開しながら京阪電車は発展することでしょう。
「記念ヘッドマーク」は8000系全編成と大津線の一部車両に掲出
開業110周年「記念ヘッドマーク」が掲出されている車両と期間は以下のとおりです。
掲出車両:京阪線8000系全編成 大津線600形(613-614)700形(707-708)
掲出期間:2020年6月19日~8月10日
京阪8000系では特急「鳩マーク」の横に「記念ヘッドマーク」が掲出されています。8000系全編成に掲出されているため、撮影するのはとても簡単です。
ヘッドマークは特定の車両や施設ではなく、幾何学的なデザインとなっています。京阪電車のヘッドマークの中では比較的シンプルな部類に入ります。
記念グッズの発売はいつ?
開業110周年を記念して京阪電車では記念グッズが発売されます。記念グッズは「注染手ぬぐい 1700円(税込)」「クリアファイル 400円(税込)」「珪藻土コースター 700円(税込)」です。4月15日時点ではこれらの商品は京阪電車の各駅での発売・予定販売はせず、販売会で発売する旨を伝えていました。
しかし新型コロナウイルス感染拡大防止の影響により、販売会開催の目途が立っていません。京阪電車ホームページによると販売会の開催に関して「開催が決まりましたら、ホームページでご案内します」とのことです。
今後の京阪電車の予定
京阪電車の今後の予定で注目されるのは2021年1月からスタートする3000系「プレミアムカー」の導入です。これにより、昼間時間帯の全特急に「プレミアムカー」が連結されることになります。
3000系「プレミアムカー」は8000系「プレミアムカー」を踏襲していますが、行先表示器はガラスの隙間に液晶ディスプレイを内蔵した「infoverre Windowシリーズ Barタイプ」を導入します。導入されると鉄道車両の窓用ガラスとしては世界初採用となります。
3000系「プレミアムカー」は暗い世情を吹き飛ばす車両になるのでしょうか。これから注目したいところです。
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