【小湊鐵道】只見線キハ40形2両譲渡へ・匂わせ過ぎた?Twitter騒動も

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小湊鐵道では、2020年5月18日からの甲種輸送(貨物列車での輸送)・陸送(トレーラーによる輸送)にてキハ40形2両が入線することが明らかになっています。

公式Twitterで様々な“匂わせ”をしていてファンからは“やっぱり”といった印象もある動きですが、改めてここまでの導入に向けた動きを振り返るとともに、SNS騒動について考えます。

只見線から小湊鐵道へ

只見線では、2020年3月のダイヤ改正にてキハ40形をキハE120系へ置き換えを行ないました。

新潟地区へ電気式気動車=GV-E400系を投入することで、8両の小所帯であったキハE120系を只見線へ転用する動きとなりました。今後は只見線の長期不通区間再開に向けてキハ110系も転用される見込みです。

同時期に置き換えられた新潟支社・新津運輸区所属のキハ40系列(キハ47,48を含む)は順次海外譲渡が進められていた一方で、仙台支社・郡山総合車両センター所属で只見線で活躍していたキハ40形8両は郡山総合車両センター内で一部車両は解体作業も進んでいました。

今回、交通新聞社「鉄道ダイヤ情報誌」公式WEBサイトが新型コロナウイルスに伴う休刊の補完として概要を掲載したことで、以前からのファンの間で飛び交っていた只見線キハ40形2両の小湊鐵道譲渡の噂の実現が事実と答え合わせがされる形となりました。

郡山総合車両センターでは、小湊鐵道向けと思われるキハ40 2021,2026の2両が輸送に向けた準備を進めていることが既に現地ファンにより確認されていますので、この2両が対象となりそうです。一方で、残りの車両の解体進展などから、只見線からの譲渡対象はこの2両のみと考えることが出来そうです。

一方の小湊鉄道側でも、譲渡に向けた準備と捉えることが出来る動きが続きました。

拠点となる五井駅ではホームすぐ横の“側線”の再整備が行われていたほか、2020年5月9日には工事用などで活躍する開業時からの貨車のうち3両を里見駅へ疎開する動きが行われていました。直接公表はされていないものの、増車に向けた動きとして辻褄が合います。

小湊鉄道で活躍しているキハ200形は国鉄キハ20系列をベースに新造された車両で、キハ40系列に比べると軽量です。

ここ数年の小湊鐵道では枕木のPC化(コンクリート枕木)も少しずつ進んでおり、重量があるキハ40形入線に備えた動きだったのではないか?という推測の声もあります。

現時点では東北地域標準色と呼ばれる只見線時代のカラーリンとなっていますが、そのままのカラーリングで運用を始めるのか、小湊鉄道カラーや国鉄色などへ塗色変更が実施されるのかが今後の注目ポイントとなりそうです。

やっぱりモヤモヤする動き……

ここ数日、小湊鐵道の公式Twitterが物議を醸し、ハッシュタグ“#小湊鐵道のツイッター担当さん罷免に抗議します”ネットニュースなどでも取り上げられる騒ぎとなりました。

突然公式Twitterで従来の担当者が担当から外された“クビ”をカミングアウト・社内の処遇についての愚痴を記すこととなりましたが、その際に過去のツイートを全て消すという派手な処置に10,000人を超えるフォロワーからは批判も続出。

昨日発表された公式発表では会社としてはツイート削除までは求めていなかったとしているほか、各報道の取材回答を総合すると、あくまで会社としては「Twitter運用」自体への処分ではなく、「人事を巡る会社批判の投稿」への対処のようです。

同Twitterアカウントでは一般ユーザーの引用リツイート・2020年4月1日のツイートでは只見線キハ40形の“匂わせ”とも捉えられる画像が入るなど、“攻めた”アカウントでした。

小湊鐵道沿線に住んでいないファンが訪れるきっかけの1つとして一定の成果を収めているとも感じますが、同担当者はフォロワーノルマがあるのに肝心の運用指針は示されていない点など、会社側の対応に批判も記していました(社内事情を書くのもどうかと思いますが、先述のようにツイートは削除されています)。

地方私鉄の公式アカウントとしては高松琴平電鉄が以前から積極的だったほか、同じく最近始めた岳南鉄道などもユーザー・フォロワーに寄り添ったツイートをしており、その親しみやすさで一定のファンを集めていました。

キハ40形入線についても、せっかくであれば大々的なPRをして明るい話題として注目を集めれば、同社にとって最高の宣伝材料となったはずです。何かともったいないと感じる方も多いのではないでしょうか。

車両導入に向けた一連の動きはフォロワーを中心に拡散され、結果としてファンの間で様々な話題となったほか、先述の貨車回送はYouTube動画も多く再生されており、ここまでの宣伝自体は一定の成果はあったようにも感じます。

一方で、車両譲渡には譲渡元となるJR東日本・輸送を担うJR貨物や陸送事業者など他業者を巻き込んだ動きとなることから、いくら会社の広報の動きが鈍かったとしても一担当者の裁量で迷惑をかけるのは……という声もあります。

この辺りは賛否が大きく分かれるところかと思いますが、その後の対応も含めて1万人のフォロワーなど多くのファンを失ったほか、担当者・会社ともにネットリテラシーの低さも露呈する格好となりました。

せっかく明るい話題で大注目となるところでしたが、自慢だった車両や設備だけでなく社内体制も古い……といった皮肉な話題となってしまいました。

肝心のキハ40形譲渡についても、記事公開日現在は商業誌の荷受け主として判明しているものの、結局小湊鐵道からの正式発表はありません。あくまで輸送完了後に公表する予定なのでしょうか。

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