東京メトロ6000系が引退間近・特別運転を実施
東京メトロでは、長年にわたり活躍していた営団地下鉄→東京メトロ6000系が11月に引退するのとあわせて、特別ヘッドマーク・営団Sマークを付けて臨時列車を運転しています。
綾瀬13:29→霞が関13:55、霞が関14:16→綾瀬14:42
1968年に試作車が、1971年からは量産車が登場した営団地下鉄6000系は、左右非対称の前面形状、回生ブレーキやチョッパ制御といった最新技術でとても注目された形式です。
同時期製造の7000系、弟分の8000系
東京メトロ6000系の成功を受けて開発されたのが、有楽町線向けの7000系と、半蔵門線向けの8000系です。
有楽町線向けの7000系は見た目もほぼ同一、半蔵門線向けの8000系は製造時期の違いもあって裾絞りのついた車体と角形ライトが印象的です。
8000系については修繕工事=メトロ用語でB修繕工事が施工されたのが比較的最近で、フルカラーLED、LED照明、多くの編成が液晶の案内装置装備と、最新技術が多数採用されています。
一方、7000系に関して最後に大きな修繕が加えられたのが2008年の副都心線開通に合わせた減車・ATO装置搭載の時期で、東横線から最新の東急5050系が乗り入れてくるなかで見劣りのする存在となってしまっています。
なお、この際、VVVFインバーター制御に更新していなかった編成・初期に修繕した編成など、一部が廃車となっています。
02系の置き換えが昇圧のため、03系の置き換えがホームドア対応のため、05系の置き換えが混雑対策とそれぞれ事情があるにせよ、大掛かりな改造を加えた7000系については今だに正式な置き換えが発表されていません。
長生きするのは6000系という見方が多かったものの全車置き換えとなった一方で、弟たちは今日も元気に活躍しています。
上記路線の車両調達の情報が出るも…?
そんな彼らにも置き換えに関する噂が以前からありましたが、今年に入り、有楽町・副都心線、半蔵門線用の新型車両の調達が発表されています。
7000系・8000系を全車置き換えるものかと思いきや、投入本数は副都心線向け15編成、半蔵門線向け8編成となっています。
副都心線向けの15編成という数字は、8両編成の編成数であることから、こちらが置き換え対象と容易に推測が出来ます。
一方で、半蔵門線向けの8編成については、疑問点が多く残ります。
置き換え対象はどうなる?
興味深い説として、08系6編成が置き換えの対象で、これらが有楽町・副都心線に同じく6編成残存している7000系10両編成を置き換えるというものがあります。
その説の根拠としては、東京メトロ8000系はつい最近更新工事が完了したばかりで、もしも置き換えの話があったなら途中で施工をやめていたはずです。
また、8000系を差し置いて更新時期の08系を廃車にするとも考えにくいです(06系は1形式1編成、05系は混雑対策というやむを得ない事情がありました)。
先行投入で08系を追い出し、数年後に8000系を置き換える計算なら半蔵門線の車種統一が出来て合理的とも考えられます。
もちろん、6編成という少数形式をわざわざ転用するデメリットもあります。
運行範囲が多岐にわたる有楽町・副都心線系統ですので、全社に直通させるとなると乗務員訓練の手間が発生します。
また、有楽町線限定運用を組むのは、ダイヤ乱れ時に不便この上ないです。
しかしながら、07系が東西線に転用されたように、奇想天外な解決法を持ってくる東京メトロさんですから、あまり不思議でもありません。
08系も2020年代前半ならB修繕工事の適齢期ですので、もし転用がされるならば副都心線用新型車両と機器統一をして扱いやすく改造するでしょう。
また、半蔵門線規格ですので、車体幅が狭く、先頭部も短いという難点もあります。
これについては、同じ規格の東急5000系が副都心線・東横線系統で活躍している以上、あまり考慮する必要はなさそうです。
有楽町・副都心線系統としても、08系は営団最後の新形式で有楽町・副都心線で活躍している10000系が東京メトロ最初の新形式と、経年差があまりありません。
ゆくゆくの10000系の後継車を置き換える際にまとめて行える効果も期待できます。
B修繕して間もない02系の廃車が始まるご時世、東京メトロさんがどんな置き換えを進めるのか、引き続き注目です。
趣味的には、特殊なドア間隔が起因して東西線に追い出されてしまった07系が成し遂げられなかった分まで、Fライナーとして東横線を駆け抜ける姿を見てみたいところです。
コメント
8000系のB修繕工事第1弾出場は2005年3月ですから、一部はすでに更新後10年以上経過しており2020年前半には初期車は製造40年を迎えるので、廃車濃厚でしょうね。
開拓屋さま
コメントありがとうございます。
仰る通り、8000系初期車は製造からの年数経過もありますので、遅かれ早かれ置き換えには着手するものと思われます。
7000系・8000系ともに製造期間も修繕期間も長かったので、先が読みにくいという印象です。
修繕されていた6000系も計画変更であっさりと廃車されたくらいですので、今後の動向に注目です。