小田急ファンにとって長年の願いだった、箱根登山鉄道カラーの赤色編成の小田原線・江ノ島線・多摩線運用が8月1日より始まっています。
1059×4(いわゆる1059F)が1254×6(1254F)とペアを組み、2020年8月の期間限定で新宿口運用に使用されています。
箱根登山鉄道の運転再開記念で運行
2019年10月の台風19号により、箱根登山鉄道の箱根湯本駅〜強羅駅間は土砂流入・路盤流失などの深刻なダメージを受けました(関連記事)。
復旧工事が急ピッチで進められ、夏休みを前にした2020年7月27日に全線で運転を再開しています。
今回、この箱根登山鉄道運行再開を記念して、普段は小田原駅〜箱根湯本駅間を中心に単独運行されている“箱根登山カラー”の赤い1000形を含めた10両編成を組成して、10両編成の運用に使用されることとなりました。
現在は1058〜1061と4編成体制になっている“赤1000”ですが、このうち1059×4が通常カラーの1254×6とペアを組み、新宿駅発着などの10両固定編成運用に充当されています。
また、これに関連して、こちらも小田急のファンから人気の高い1051×4(検測車=テクノインスペクターの牽引対応車)の箱根登山運用代走なども実施されています。
赤色の入線は2012年以来
この箱根登山鉄道カラーの1000形ですが、箱根登山鉄道線の小田原駅〜箱根湯本駅間の運用移管・6両編成の乗り入れ終了といった変革で2009年に登場しました。箱根登山鉄道の1000形・2000形と同様のカラーリングとなっています。
このカラーの登場と前後して、小田急線で長年実施されていた本線上での増解結運用が整理(2008年「湯本急行」運行終了・2012年 増解結運用終了)されたため、入出庫で本厚木〜小田原間を単独で走行するほかは、小田原駅〜箱根湯本駅間の運用に留まっていました。
しかしながら、運行開始から2012年までの間に数回ダイヤ乱れの関係で新宿駅まで入線した経歴があり、通常カラー(青帯)の1000形6両編成のほか、界磁チョッパ制御のまま更新された珍車・8000形8255×6との組成も実現しています。
突発的な代走で小田急ファンを魅了していたものの、2012年末の代走を最後にこの実績がなく、古参のファンにとっては懐かしい思い出に、若手のファンにとっては憧れの編成が実現することとなりました。
また、今回の運行について公式発表される以前となる2020年7月6日には、深夜帯に試運転として1254×6とペアを組んで入線しています。1059編成が新宿口で使用されていた頃には新宿駅にホームドアがありませんでしたので、これに関連する動きと思われます。
「新宿」以外の表示も撮影可能!
小田急電鉄では、慣例的に4両編成は新宿側に連結されます。特徴的な新宿表示が見られる一方で、撮影者目線ではバリエーションが少ないことが上り側の難点です。
しかしながら、小田急江ノ島線の藤沢駅ではスイッチバックをする構造。江ノ島線の藤沢駅〜片瀬江ノ島駅間では、赤い1000形が先頭に立つ姿を見ることができます。こちらは初日となった8月1日に早速実現しています。
このほか、各路線が本線に合流する路線形状ゆえに、10両編成についても少数ながら途中駅発着の列車が存在します。2日目となった8月2日には、さっそく小田原線上り急行相模大野止まり=1002レに登板して注目されています。
また、小田急線の特徴として途中駅での種別変更も多く存在します。
行先・種別・撮影地の組み合わせの多さ、始発駅でのBGM鳴動など、乗車・撮影ともにファンにとっては忙しい1ヶ月となりそうです。
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今回の写真は、フォロワーのはやてん様(@hayaten_EF66)より許可を頂いて掲載しています。
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