【北の大地へ】東急電鉄THE ROYAL EXPRESS 北海道クルーズ甲種輸送

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2020年夏の一大イベントとして、東急電鉄・伊豆急行のクルーズトレイン“THE ROYAL EXPRESS (ザ・ロイヤル・エクスプレス)”の北海道クルーズがあります。

JR東日本から譲渡された電源車・マニ50 2186の塗装変更など準備が進められていましたが、7月20日晩より北海道へ向けた長旅が始まりました。

THE ROYAL EXPRESSの北海道クルーズ

THE ROYAL EXPRESSは、2016年から横浜~伊豆急下田駅間のクルーズ列車として東急電鉄主体で運行されているクルーズ列車(旅行商品・団体臨時列車扱い)です。

リゾート21の5次車・アルファリゾート21を水戸岡鋭治氏のデザインで改装して登場しました。

改造前はリゾート踊り子号として臨時特急リゾート踊り子号に、平日や閑散期は普通電車に運用されていた車両です。

JR北海道では、JR東日本・JR貨物・東急電鉄の協力を得て、2019年より夏に観光列車を運行し始めています。2019年はJR東日本の“びゅうコースター 風っこ”を借り入れ、JR北海道保有のキハ40系列「北海道の恵み」でサンドイッチする形での運行がされました。

一方で、今回のクルーズは東急グループの旅行商品・団体臨時列車として実施されており、JR北海道としては牽引機関車の貸し出し・線路使用料による収入となります。車内のクルーもTHE ROYAL EXPRESSの専属チームが北海道に出向く格好です。

東急グループとしては北海道方面の旅行商品の強化、JR北海道としては線路使用料による収入と、衰退が続く北海道の観光路線のノウハウ習得などを目的としています。

輸送準備の様子

甲種輸送で伊豆高原に到着後、クモハ103号による電源供給試験が実施されたほか、6月末には北海道に渡航する5両を使用した試運転が実施されています。

7月に入ってようやく塗装を実施、白色に姿を変えたマニ50 2186がお目見えしました。

伊豆急行線内は8000系が牽引

伊豆急行線内(伊豆高原→伊東)では、編成を2分割して8000系6両が3両ずつ牽引する体制が組まれました。従来の車両搬入時・クモハ103号の深夜回送と同様に、線路閉鎖を実施しての回送となっています。

15編成在籍する8000系のうち、3両4編成=6両2ペアが今回の輸送に携わる大イベントとなりました。

・甲種回送車両① 8000系6両+2100系R-5編成 5,4,1号車

構内入れ替えののち、伊豆高原駅3番線に入線。通常夜間停泊している車両は1,2番線に変更されています。

保線作業車両同様の線路閉鎖・低速での運転にて伊東駅を目指しました。

1本目はTA-1編成+TB-5編成が担当し、伊東駅には4番線に到着しています。

・甲種回送車両② 8000系6両+マニ50 2186+2100系R-5編成 8,6号車

同様に入れ替え作業を実施・伊豆高原駅3番線からしばらく続行にて運転され、南伊東駅1番線にて待機。上記編成の入れ替え作業・返却回送をしばらく待ってから線路閉鎖のうえで伊東駅3番線に到着しました。

こちらの牽引はTA-5編成+TB-2編成です。

伊東駅到着後はそのまま熱海方に引き上げ、4番線で停車中の1,4,5号車と併結作業が実施されました。

・返却回送①(211レ) 8000系6両

1本目を牽引していたTA-1編成+TB-5編成の6両は切り離し作業・熱海方に引き上げて3番線に転線。線路閉鎖を解除したのち、伊東駅3番線を1:10ごろ発車しました。

南伊東1番線にて待機していた上記2本目の輸送と離合した模様です。

・返却回送②(213レ) 8000系6両

併結作業を終えたTA-1編成+TB-5編成は1本目同様に再度熱海方に引き上げ、3番線に停車。この6両は3:00ごろに発車しました。

伊東駅でJR貨物機にリレー

伊東線内は定期貨物列車こそありませんが、JR貨物が第二種鉄道事業者となっています。

2020年3月に“ゆうマニ”甲種輸送のために乗務員訓練をしたばかりでしたので、今回はJR貨物の乗務員訓練は実施されませんでした。

今回はJR貨物広島更新色風の塗装が施されたEF65 2127号機が担当。

伊東線下り終電の続行・単9591列車として伊東駅にやってきました。

伊豆急行の併結作業が終わるまでは下田方の引き上げ線で長時間留置。

8000系2ペアを見送ったのち、甲種輸送編成へ併結・9564レが組成されました。

同機は国鉄時代に下関運転所に配置され、時折東京機関区所属機同様に東京駅発着のブルートレインへ。更に間合い運用で日中の14系客車での臨時踊り子号に使用されて伊豆急下田駅まで入線した経歴があります。

国鉄分割民営化でJR西日本に継承、のちにJR貨物に譲渡されて岡山機関区へ。更新工事施工後しばらくした2008年に上京して高崎機関区・翌2009年に配置整理で新鶴見機関区にやってきて現在に至ります。

伊東線へ入線するタイミングはR-5編成の内装工事施工後の甲種輸送を担当した際に2127号機が充当されている……と思いきや、こちらは八王子駅〜横浜羽沢駅のみの担当。伊豆急行線甲種輸送への前回登板は2017年5月であるものの、伊東線の走行は国鉄時代以来でしょうか。

サフィール踊り子号の甲種輸送にも短区間ながら登板するなど、意外と伊豆に所縁がある機関車とも言えそうです。

首都圏・東北を北上し北海道へ

元ブルートレイン牽引機が濃青の車両を牽くのも素敵です。

今後、列車は宇都宮貨物ターミナルまでEF65形が、それ以降は交直流機関車EH500形・青函トンネル用機関車EH800形・北海道ではDF200形と、8000系から始まったリレーをつなぎ、最終的に手稲駅まで輸送される予定です。

伊豆を中心に時折首都圏へ顔を出す程度だった2100系の長旅は始まったばかり。今後も新鮮な光景をファンに届けてくれそうです。

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画像元ツイート紹介

輸送直前の伊豆高原駅での留置の様子は、フォロワーのTTTDさま(@TTTD21637338)より許可を頂いて掲載しています。

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