日比谷線70000系列投入により、置き換え対象となった20000系列が順次短編成化の上で転用されています。
置き換え対象が明確だった東武宇都宮線以降は10000系の転用が続けられていましたが、遂に新栃木駅以北の6050系運用にもメスが入ることとなりそうです。
20400型登場と玉突き転用
東武鉄道では、2016年度から日比谷線直通用に70000系列を投入を行っており、本年度の71095F・71096F投入により完了となります。
置き換え対象となった20000系列(20050型・20070型を含む)は順次運用を離脱しており、順次4両編成・ワンマン化改造をして転用を進めていました。
これらの転用では20000系2両と20050型or20070型6両から4両2編成を作るという独特なメニューとなっており、種車の違いから20410番台・20420番台・20430番台・20440番台と4形態に細分化されています。
20410番台は20070型の4両を、20420番台は20070型の中間車2両と20000型の先頭車2両を、20430番台は20050型の元5扉先頭車2両・3扉中間車2両、20440番台は20000型の先頭車2両と20050型中間車2両(3扉・5扉各1両)となっています。
興味深い点としては、費用がかかりそうな元5扉車の中間車を一部生かし、3扉のままで使えるはずの25850・24870・25870の3形式は除籍・解体となっています。
東武鉄道は長年に渡り床下機器の構成を最重視している印象がありますので、SIV非搭載で各機器の配置が大きく異なる258**号を不使用として、車種構成が更に複雑化することを防いだのでしょうか。
特に20440番台は床下機器移設をすればドア埋め車両を回避したスッキリした外観にできただけに、東武鉄道特有の転用と言えそうです。
20400型の番台ごとの車両構成
4号車 | < > 3号車 VVVF | 2号車 SIV,CP | 1号車 | |
20410番台 | 21411-3 元21870 | 22411-3 元22870 | 23411-3 元23870 | 24411-3 元28870 |
20420番台 | 21421-3 元21800 | 22421-3 元26870 | 23421-3 元27879 | 24421-3 元28800 |
20430番台 | 21431-8 元21850 | 22431-8 元24850 | 23431-8 元23850 | 24431-8 元28850 |
20440番台 | 21441-8 元21800 | 22441-8 元26850 | 23441-8 元27850 | 24441-3 元28800 |
改造前後の編成組み換え
Tc | M | M’ | M | M’ | M | M’ | Tc’ | |
20000 | 21800 | ◇ 22800 CH | 23800 SIV,CP | ◇ 24800 CH | 25800 CP,CP | ◇ 26800 CH | 27800 SIV | 28800 |
転用 | 21420 or 21440 or 廃車 | 廃車 | 廃車 | 廃車 or 譲渡? | 廃車 | 廃車 or 譲渡? | 廃車 | 24420 or 24440 or 廃車 |
20050 | 21850 | ◇ 22850 VVVF | 23850 SIV,CP | ◇ 24850 VVVF | 25850 CP,CP | ◇ 26850 VVVF | 27850 SIV | 27850 |
転用 | 21430 | 廃車 | 23430 | 22430 | 廃車 or 譲渡? | 22440 | 23440 | 24430 |
20070 | 21870 | > 22870 VVVF | 23870 SIV,CP | > 24870 VVVF | 25870 CP,CP | > 26870 VVVF | 27870 SIV | 28870 |
転用 | 21410 | 22410 | 23410 | 廃車 | 廃車 | 22420 | 23420 | 24410 |
20400型の乗務員訓練の背景は?
20400型では登場時より東武日光・鬼怒川温泉などの行先表示が準備されており、過去にも性能確認試運転で両路線への入線試験は実施されていました。
今回、20400型の乗務員訓練が始まったことで、新栃木駅〜東武日光駅・下今市駅〜鬼怒川温泉駅への営業運転拡大が現実的になりました。
2020年6月6日にはダイヤ改正を控えており、時期的にはこれを見越した動きと考えることも出来そうですが、特急列車以外の新ダイヤが未公表となっており、時刻表発表や該当区間の駅掲示などを待つこととなりそうです。
6050型は床下機器流用車が過半数を占めており、既に運用数削減で5編成の淘汰が実施されています。これらの置き換えが本格化すると考えることができそうです。
また営業面では、当初設置されていなかった安全確認カメラの取り付け工事が追加施工されています。
JR東日本・E531系3000番台に設置されているものと同様であるほか、急ピッチで進められていることを考えると、6月6日から東武日光線内でのワンマン運転開始があるのかもしれません。
今後の玉突き転用・廃車はどうなる?
東武宇都宮線向けの8000系4両8編成が置き換えられて以降は、現在まで南栗橋〜新栃木駅間運用の代替が進められてきました。
10000系列を捻出することで、各線区への置き換えを進める動きが続いていました。
20400型の投入数 | 4両22編成 | 88両 | 現在は14編成完成 |
8000系4連 東武宇都宮線置換 | 4両8編成 | 32両 | 全車淘汰完了 |
10000系 転用改造済 | 6両2編成 2両2編成 | 16両 | |
置き換え対象不明 | 40両程度 |
6050系・機器流用車
6050系機器流用車 | 6151-57F,59-60F,62F,64F,67-70F,72F 2両16編成=32両 |
6050系新造車 | 6173F-6176F,6179F 2両5編成=10両 |
6050系他社所有車 (新造車) | 61101-61103F(野岩),61201F(会津) 2両4編成=8両 |
20400型は改造時点で新栃木駅以北への乗り入れを意識しており、行先表示も既に準備がされています。
6050系は6000系からの機器流用車が16編成、完全新造車が5編成となっています(機器流用車5編成は淘汰済・新造車2編成は634型に転用済)。
このほかにも野岩鉄道に3編成・会津鉄道に1編成が所属しており、彼らとの共通運用により相互直通運転の車両使用料を清算する体制が続けられてきました。
両社の置き換えの事情も考えると6050系全ての淘汰は難しく、東武鉄道側としても20400型の投入数的に全車淘汰は現実的とは言えません。
以上のことから、日光・鬼怒川エリアでは完全な新造車を中心とした6050系が残存するのではないか?との見方が有力でしょうか。
6050系機器更新車を全車置き換えとすると、10000系の転用数は24両〜予備車共通化で32両程度と推測できそうです。
ワンマン用8000系
春日部所属 大師線・亀戸線 | 8565F,8568F,8570F,8575F,8577F 2両5編成=10両 |
館林所属 2両編成 | 8561F,8562F,8563F,8564F,8572F,8574F,8576F,8579F 2両8編成=16両 |
館林所属 3両編成 | 801-805F,851-855F 3両10編成=30両 |
森林公園所属 4両編成 | 8183F,8184F,8197F,8198F,8199F,81100F 81107F,81109F,81111F,81119F,81120F 4両11編成=44両 |
現在は11201F,11202Fの2両2編成が転用改造を受けており、今回の置き換え対象は館林所属の8000系2両編成となりそうです。
ただし、既にリニューアルを受けていてワンマン対応改造が容易な2両固定編成は10000型の4編成のみ。それ以外の2両固定編成は10050番台の未施工車となり、大規模なメニューとなりそうです。
津覇車両では20400型改造がまだまだ続くため、この4編成を先行投入とする算段でしょうか。
故障も多い経年車を中心とした2両4編成の淘汰が推測できますが、10050番台のリニューアル・ワンマン化改造が始まった場合は大きな動きとなりそうです。
更に、3両編成のワンマン車である800型・850型、東上線向けの4両編成の置き換えは所用数を考えると困難です。10030型4両編成にはリニューアル施工車両も多いですが、現在までの動きを考えると、次の新型車両による玉突き投入が現実的でしょうか。
野田線8000系
七光台所属 中期修繕 | 8150F,8159F,8163F 6両3編成=18両 |
七光台所属 後期修繕 | 8158F,8162F,8164F,8165F,8186F, 8171F,8172F,8192F,81117F 6両9編成=54両 |
七光台所属 バリアフリー | 81110F,81113F,81114F 6両3編成=18両 |
今回の一連の動きでは、アーバンパークラインへ11651Fと11654Fが転用されています。
これにより、七光台から8000系6両2編成程度の置き換えが予想できます。
津覇車両入場・リニューアルが必要な編成のワンマン転用をしない場合、もう数編成程度の転入が出来そうです。
今後も10050番台6両編成の転用を進める可能性も考えられるものの、20400型投入完了による転用だけでは淘汰は不可能でしょう。
2020年度以降に60000系の増備を再開するのか、他線区から10000系を捻出するのか、今後の動向が気になるところです。
参考:新旧編成番号対照表
赤字は現在未完成の編成ですので、入場順序通りに付番されていく過去規則に基づいた推測となります。
20000系13編成
新編成 20420番台 または 20440番台 | 備考 | |
21801F | 21423F | |
21802F | 21422F | |
21803F | 21445F | 24803,26803 解体せず保管 |
21804F | 21446F | 24804,26804 解体せず保管 |
21805F | 21444F | |
21806F | 21442F | |
21807F | 未入場 | 47Fまたは 48F |
21808F | 21443F | |
21809F | 全車解体 | |
21810F | 21441F | |
21811F | 21421F | |
21812F | 未入場 | 47Fまたは 48F |
21813F | 全車解体 |
20050型8編成
新編成① 20430番台 | 新編成② 中間2両 20440番台 | 備考 | |
21851F | 21433F | 21443F | |
21852F | 21434F | 21444F | |
21853F | 21435F | 21445F | 25853 解体せず保管 |
21854F | 未入場 | 未入場 | 37F,47Fまたは 38F,48F |
21855F | 未入場 | 未入場 | 37F,47Fまたは 38F,48F |
21856F | 21436F | 21446F | 渡瀬北留置 |
21857F | 21431F | 21441F | |
21858F | 21432F | 21442F |
20070型3編成
新編成① 20410番台 | 新編成② 中間2両 20420番台 | 備考 | |
21871F | 21411F | 21421F | |
21872F | 21412F | 21422F | |
21873F | 21413F | 21423F |
関連記事はこちら
画像元ツイート紹介
今回のお写真は、UK様(@323ugatetu3)から許可を頂いて掲載しています。
コメント