【原形維持】東急8500系8606Fが廃車回送・方向幕,スカートなしで残存

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東急田園都市線では、新型車両2020系の投入により8500系の淘汰を進めており、在来車両の置き換えが進展しています。

置き換え対象のうち、東武鉄道線への乗り入れ非対応・方向幕装備・スカートなしと原型に最も近い形でファンから絶大な人気を誇っていた8606Fが本日朝の運用をもって離脱、広告などを撤去したのち、所属基地である長津田検車区から恩田の長津田車両工場まで回送されています。

原形維持で大人気!東武乗り入れ非対応

今回回送された8606Fは、東急田園都市線で活躍する車両の中でもトップクラスの人気を誇っていました。

8500系は行先表示器のLED化・スカート(排障器)設置改造を受けていますが、この8606Fについてはそれらの改造前の姿のままとなっており、20世紀の往年の姿に近い外観が目を惹く車両です。

ファン人気の熱い8606Fですが、当初計画では5000系31編成を製造するにより淘汰される予定だったと言われています。

これは、東武鉄道との直通運転開始前に東武鉄道のATS(保安装置)設置改造と並行してこれらの改造が施されることとなりましたが、8614Fまでの経年車は置き換えを見込んで東武鉄道直通対象外となっていました。

直通開始直前の時点で8603F〜8614Fと12編成残っていましたが、8606F,8613F,8614F以外は置き換えが進行。

しかしながら、東急グループはJALの経営不振の影響をモロに受け、その後の車両計画が大きく変化することとなります。

投入予定だった田園都市線向けの5000系については、副都心線直通のために置き換えが必須であった東横線に4編成を充てることとしたほか、製造数自体も9編成少ない22編成で打ち止められることとなりました。

さらに5000系への6扉車連結などの複雑な動きとなりましたが、田園都市線の車両数確保のため、既存車に延命が行われることとなります。

同じく経年車として直通対象から外されていた8614Fは乗り入れ改造を受けて他編成と共通運用に戻り、8613Fは5000系の組み換えを見届けて運用離脱となりましたが、この8606Fは東武鉄道乗り入れ非対応の“サークルK”のまま、外観についてもそのままで営業運転を続投していました。

”サークルK”も全廃へ

東急田園都市線〜東京メトロ半蔵門線〜東武伊勢崎線の相互乗り入れ運転では、先述のように直通開始時より東武線非対応の編成が存在していました。

置き換え計画変更の動きを終えた後も、8500系で8606F,8642Fのほか、8590系8694F,8695F、2000系2101F,2102F,2103Fと7編成の東武非対応編成が在籍する体制が長く続けられてきました。

特に近年は東武線が10分ヘッドの急行・準急運転となり運用数が増加するなどダイヤも大きく変化しており、日中の東武乗り入れ非対応の運用数は増えたり減ったりを繰り返していましたが、基本的には朝夕中心のレアキャラとなっていました。

田園都市線混雑緩和のため、車齢が若い5000系に6扉車増結の動きが進んだこともあり、東武鉄道直通対応の8500系が大活躍、せっかく乗り入れ対応している5000系・車齢が若いものの少数形式ゆえに直通から外された2000系とともに日中は長津田のお留守番……という運用が組まれていた時期もありました。

この異端児・8606Fは最若番編成=一番の経年車ですので、2020系投入直後に置き換えるのではないか?と言うファンの予想もありましたが、2000系の9020系への転用・8590系の富山地方鉄道譲渡などが優先された結果、“サークルK”として最後まで生き延びたのが最古参の8606Fとなりました。

今回、この置き換えが完了することで、“サークルK”編成が一旦消滅することとなりました。

今後も細部の仕様変更で一時的な限定運用としての登場はありそうですが、東武線直通開始以来、長年運用制限に苦しまれてきたこの系統にとっては大きな出来事と言えそうです。

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