【東横線“Qシート”運行か】東急電鉄5050系4000番台4112F出場

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東急電鉄では、2023年春の東急・相鉄新横浜線開業に向けた準備が以前から進められています。

8両編成の5050系のうち一部に相鉄で必要な設備が搭載されており注目されていましたが、このうち5166Fが4112Fに改番されて総合車両製作所(J-TREC)横浜事業所を出場しました。新造車は無ラッピングで出場しており、今後が注目されます。

徐々に明らかになった一部編成の10両化

東急東横線では副都心線との直通運転開始とともに10両編成の運転を開始しており、東急電鉄所有の5050系10両編成は4000番台の番号が付与されて新造(一部転用車を除く)されました。

直通開始時点で4101F〜4109Fの9編成がデビューしたのち、“Shibuya Hikarie号”として4110Fが落成。以後しばらくは10編成体制が続いていました。

2019年には元住吉駅衝突事故の代替新造車8両とともにデハ4611,サハ4711の2両が落成し、2020年には5173Fが4111Fに改番され10両化されています。

10両編成の運用に余裕が出来たことで、その後は4000番台にデジタル無線装置設置改造が進められており、この際に相鉄線内で使用されるATS-P型自動列車停止装置・無線装置もJR東日本タイプのものが搭載されました。先に改造が進められていた東横線向けの5000系・5050系8両編成では同じ三菱製ながらJR東日本タイプでない無線装置が搭載されています。

未だに公言はされていないものの、相鉄側と同様に東急電鉄でも東横線からの新横浜線直通用車両は10両編成の4000番台のみと考えて間違いない状態です。

そのままでは8両編成が過剰・10両編成の不足が容易に想像出来た状態で8両編成で4000番台と同一の改造メニューで出場する車両が登場。のちに運賃改定に関連して2022年度に8両の導入未公表だった車両増備計画が示され、ファンの間では既に2022年度に追加で4編成が10両化・対象は5166F〜5169Fの4編成と断定される状態となりました。

出場した車両を見る

6月28日未明に総合車両製作所(J-TREC)横浜事業所を出場したのは、東急電鉄5050系の10両です。

このうち8両は5166Fとして2007年に落成・運用されていた車両で、今回の出場を以て4112Fに改番される車両です。このほか新造車2両が同時に出場しており、2019年に登場した4111Fと同様に1M構成の中間電動車(パンタグラフ1基の車両)・中間付随車の2両が連結されています。

出場時の連結順はサハ4712-サハ4612-車号無しの電動車+クハ4012-デハ4912-デハ4812+車号無しの付随車-デハ4312-デハ4212-クハ4112(「+」の箇所は輸送時の分割をする連結面)となっています。

連結順序が飛び飛びにも思えますが、八王子→長津田間を分けて輸送し、その後長津田で効率良く組成するために実施されているものです。過去に製造された4000番台のうち、全車新造となった4105F以降の輸送や、田園都市線向けの2020系などでも1〜4号車・8〜10号車・5〜7号車といった順序で分割されていましたので、今回が特別なものではありません。

一方で、従来の単独電動車が6号車に連結されていたのに対し、新造車では4号車と異なる番号順です。

新造車は出場・甲種輸送時点で4,5号車の位置に連結されており、車体表記こそないもののサハ4412・デハ4512となるものと考えられます

5050系で頻発した、輸送段階で他編成への組み換えを予定している場合はそれを見越した順序で連結されることが通例のため、今回はこの可能性はかなり低い状態です。4112F以降の編成はこの組成順になると考えられます。

1号車2号車3号車4号車5号車6号車7号車8号車
5166Fクハ5166デハ5266デハ5366サハ5466サハ5566サハ5666サハ5766クハ5866
↓改番↓改番↓改番新造
Qシート?
新造
Qシート?
4号車
→6号車
5号車
→7号車
6号車
→8号車
7号車
→9号車
8号車
→10号車
4112Fクハ4112デハ4212デハ4312サハ4412デハ4512サハ4612サハ
4712
デハ4812デハ4912クハ4012

なお、前回製造された4111Fの事例では、新造された4101F〜4110Fと編成構成が揃えられていました。

サハ4412とみられる新造車

総合車両製作所(J-TREC)横浜事業所では以前より新造車が無ラッピング状態となっている点が複数のファンにより確認されており、動向が注目されていました。青一色のラッピングに見えるといった声も上がっていましたが、前後の車両と車体の光沢仕上げが異なるゆえに遠目ではそう見えた……といった実態でしょうか。

デハ4512とみられる新造車

内装については残念ながら側面窓・ドア窓ともに内側から養生がされており見ることが出来ず、これだけでは“Q SEAT”連結であることは断言出来ません。

6020系の“Qシート”車両も無ラッピングで落成していましたが、大井町線へ着席サービスを導入することと内装イメージが事前に公表されていたため、この際は目隠し等はされていませんでした。のちに実施された6000系の“Q SEAT”車両には、完成形で輸送されています。

しかしながら、これらの車両との共通点として、車端部のみ窓下部に覆いがある点が挙げられます。

これは東急5000系列の一部で採用された“ハイバックシート”の車両にも施工されているものですが、L/C可変座席を有する6000系・6020系の“Q SEAT”車両では車端部のロングシート固定区画にのみ施工・ドア間の窓とフリースペース部分の窓には非施工となっています。

無ラッピングで出場した両車両とも窓下部の覆いが“Q SEAT”車両と同様の形態となっており、中身こそ見えないものの“Q SEAT”車両であると考えて間違いないでしょう。

また、電動車と付随車2両とも無ラッピングとされている点について、6000系との組み換えで大井町線全列車に連結を狙っているのでは?といった推測も聞かれましたが、車両の仕様を見る限りはこれらの動きはなさそうです。

車両の仕様としても5080系・6000系の設備は見られず、VVVFインバータ制御装置なども純粋な5050系増備車本来の機器構成です。

6000系との組み換えをする場合は主要機器構成や車体寸法が同一となっている5080系と行う方が合理的かつ実例もあり、あえて細部設計の異なる5050系の増結に絡めて複雑な組換と改造を行う必要性は乏しく思えます。

在来の4000番台11編成と編成構成が異なる点については保守性が若干低下しそうですが、過去の6扉車組み込みに関連した5000系の事例を考えれば、在来車はそのままとされても不思議ではありません。

参考:東急3000系,5000系列,6000系,7000系のVVVFインバータ制御の違い

電動車ユニット単独電動車メーカー
3000系奇数VFI-HR4820EVFI-HR2420E日立製作所
3000系偶数SVF038-A0SVF038-B0東芝
3000系増結奇数VFI-HR1420W日立製作所
3000系増結偶数SVF065-B1?東芝
5000系VFI-HR2820BVFI-HR1420H日立製作所
5050系VFI-HR2820BVFI-HR1420H日立製作所
5050系後期VFI-HR2820LVFI-HR1420W日立製作所
5080系SVF065-A0SVF065-B0東芝
5080系増結SVF065-B1?東芝
6000系SVF065-A0SVF065-B0東芝
7000系前期SVF065-A0東芝
7000系後期SVF065-A1東芝
Y500系VFI-HR2820BVFI-HR1420H日立製作所

東横線“Qシート”は4編成体制か

これまで出揃っている情報を総合すると、東横線の“Q SEAT”も大井町線と同様に4編成体制で運用される姿が想像しやすいところです。

大井町線で使用される急行用7両編成のうち、6000系2編成・6020系2編成が“Q SEAT”連結・6000系4編成が“Q SEAT”なしとされており、平日はそれぞれ3運用の構成です。

東横線系統でも“Q SEAT”連結編成を4本配置・3運用と仮定すると、渋谷〜元町・中華街間の折り返し運用とすれば通勤特急のうちの半数近くに連結できそうです。

一方で、本数を1時間に1本程度に絞って長区間の運行をする可能性も否定出来ません。

既に西武鉄道40000系“S-TRAIN”で会社跨ぎの着席列車を運行している土壌がありますし、この4112Fも新横浜線・相鉄線方面への直通設備を追加した以上は運用上の制約はないはずですので、どのような活用がされるのかが気になるところです。

東横線内の優等列車の混雑に拍車が掛かる点が懸念されますが、相鉄直通列車の本数相当の優等列車が増強されることが確実視される状況であることを考えれば、一般利用の利便性も大きくは損なわれないものと考えられます。優等列車の旅客集中を避けるなら、田園都市線内の事例と同様に日吉駅以南をフリー乗降区間とすれば解決出来そうです。

車両デザイン・運転区間などまだまだ謎に包まれており、今後の発表が楽しみな車両です。

関連記事:5050系10両化・相鉄直通準備の動き

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