【撮り鉄カメラ論争】スマホ鉄増加中!鉄道撮影に機材投資が必要な理由は?

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近年のスマートフォンのカメラ性能は急激に進化を遂げており、スマホで鉄道写真を撮られている方も多く見受けられます。

しかしながら、やはり鉄道写真では高価な機材を持って撮影に励む方が非常に多いです。

そもそもなぜ多くの撮り鉄さんが一眼レフ、それもハイグレード機種の購入をしているのでしょうか。

鉄道写真とスマホカメラの相性が悪すぎる理由とは?

いわゆる機材マウントが横行する撮り鉄業界において、一眼レフ=良い写真と漠然と言われていますが、ちゃんとスマホカメラとの違いを説明出来る方も少ないのではないでしょうか。

鉄道写真が綺麗に撮れる違いは、色々な構造の違いに由来します。

まず、スマートフォンでの写真撮影は、カメラを持ち歩かなくて良いという気軽さが圧倒的な強みと言えます。

大きな初期投資が発生しないことも強いメリットですね。

しかし、形式写真といった構図では特にデメリットはないものの、走行中の列車の撮影、特に「撮り鉄」の皆さんが多く撮る編成写真だと色々と不都合が発生します。

鉄道写真ではシャッタースピードが大事

時速100km/hくらいは平気で走行する走行中の鉄道車両の撮影には、1/800秒かそれより速いシャッター速度が欲しいところです。

例えば1/100秒のシャッタースピードで時速72km=秒速20mの電車を撮影すると、そのシャッターが開いている0.01秒の間に20cmくらい列車が動きます

この20cm分がブレた写真になってしまいます

新幹線などの高速列車の撮影にはより速いシャッタースピードが求められるので、特に新幹線や特急のような高速走行をする被写体を狙う場合は、その設定が出来る機材が必須です。

一方で、鉄道車両には1/125・1/400より速い速度でシャッターを切ると行先のLED表示器が上手く写らない形式も多く存在します。

これは、噛み砕いて記せば、LEDはそれくらいの目には見えない速さで点灯していない時間があるためです。

最近の通勤型電車はほとんどが行先表示器のLED化が進んでいます。

せっかく珍しい行先の列車に遭遇したのに、写ってなかったら本末転倒ですね。

これらの調整=シャッタースピードを手動で設定する必要があるため、鉄道写真を趣味として行う場合、シャッタースピードの調整が出来るカメラの購入・持参が絶対課題です。

スマホカメラは暗いときに不利?

スマホのカメラが暗いところに弱いということは、皆さん一度は体感したことがあるのではないでしょうか。

花火大会や夜景、星空の撮影には向いていないほか、最近のスマートフォン・iPhoneなどで標準搭載されているHDR撮影については動きがある被写体を苦手としています。

これは、さまざまな明るさで連写したものを合成で最適化するというシステムなので、動きがある被写体……そう、鉄道写真にはそもそも不向きなシステムです。

望遠レンズの出番が多い鉄道写真

比較的多くの方が撮影されている編成写真では、線路上の障害物をかわすために望遠レンズを必要とする撮影地が非常に多く存在します。

新幹線の沿線撮影地では特に出番が多いほか、都心部の沿線撮影地でも出番が多く存在します。

レンズが小さいスマートフォンは望遠が苦手分野ですので、画質が落ちてしまうデメリットがあります。

後年見返した時に……

近年のカメラは急激な性能向上をしていると記しましたが、珍しい列車の写真は年数が経過するととても貴重な記録になります。

私もガラケー時代に485系3000番台の快速フェアーウェイ充当など、今の撮り鉄さんが見たら珍しい列車もなんとなく撮影していましたが、そういった写真がのちのち珍しくなってきます。

その後コンパクトデジタルカメラ、一眼レフとグレードアップしていましたが、やっぱり昔の方が貴重な列車も走っていましたので、当時の写真が一番貴重なものを捉えていたことは言うまでもありません。

鉄道が好きな方の多くは何年先も続けられる趣味かと思います。

「今の機材と腕で昔に戻りたい」というのは中堅・ベテランの撮り鉄さんはみな口にします

機材のグレードアップは早いうちに越したことがありません

機材で腕は決まらないけれど、機材で撮れる写真幅は広がる

撮り鉄の界隈では、今も昔も機材でマウントを取る節があります。

これを「お金で腕は買えないから、高い一眼レフを持っていなくてもいい写真は撮れる」という意見と「スマホやコンデジではいい写真は撮れない」という意見でどちらが正しいかという二項対立で考えてしまうのは、あまりに稚拙だと思います。

ただ、スマホやコンデジでもいい写真が撮れることもあるけれども、様々な画角や雑誌掲載などのチャレンジがしたいのであれば、一眼レフ、それも鉄道写真に適したスペックのものの購入をしておくべきでしょう。

そうは言っても一眼レフは高い……

一眼レフのデメリットは費用がかさむことと、持ち歩きが不便という2点が大きなものですね。

学校帰り・仕事帰りにふらっと撮影といった気軽さは小型機に劣るネガティブポイントとなります。

そういった用途が多い方には、近年急成長を遂げている小型・軽量なミラーレス機などが最適でしょう。

鉄道写真においてスマートフォンが苦手とする点を一通りカバーできて、一眼レフが苦手とする費用面・持ち運びの煩雑さという課題も克服してくれます。

電子ファインダーゆえに、実際の写真に僅かな誤差が発生するというデメリットこそあるものの、通常の一眼レフに手が届かない、用途に合わないという方は合わせて検討してみる価値もありそうです。

一眼レフの中でも鉄道写真に向いている機種は?

ひとえに一眼レフと言っても、各メーカーから様々な特徴の機材があります。

◎ 本格的に写真を撮りたい!雑誌掲載にチャレンジしたい!

◎ レンズやぼかしなどの選択肢が豊富

▲ 手軽に持ち運べない

▲ 費用はかなり高い 

今回は前編記事として、一眼レフの性能のうち、鉄道写真でどこの数値を見るべきかを解説していきます。

Nikon vs Canon論争、鉄道写真向きはどっち?

撮り鉄だけではなく、写真を嗜んでいる方ならこの課題に必ず直面しますね。

Canonは他の事業をやっていることもあり、知名度が高いです。

また、フォトスタジオなどではCanon機の使用例がほとんどで、人間の目より鮮やかな色合いに仕上がりやすいという特徴があることが大きなメリットとしてあるからだそうです。

プリンター販売でも大手という同社ならではの、印刷した時の鮮やかさがCanon機の大きな強みですね。

一方で、Nikon機についてはもともと軍の機材製造をしていた歴史を持っており、正確な色合いを出すことが得意分野です。

この他、暗い色=黒の表現に対するファンも多いのがNikonの特徴で、星空撮影などもNikon機の得意分野でしょう(専用機を発売しているくらいの力の入れようです)。

人物写真はCanon・風景写真はNikonという図式は昔から根強いこともあり、市場のユーザー数を考えると、撮り鉄のNikonユーザー比はかなり高いです

ただし、オートフォーカスの速さについては圧倒的にCanonに軍配が上がります。

また、Canonの望遠レンズ=「白レン」に憧れてCanonという撮り鉄さんも多く存在します。

レンズの互換の関係もあり、この選択は何十年もの付き合いになることも多いですから、慎重に決めることをお勧めします。

Nikon vs Canonをざっくりと

Nikon……機能性重視・デジタルでの色の深みや実物に近い発色に有利

Canon……使いやすさ重視・鮮やかな色合いや印刷した時の綺麗さに有利

一眼レフは大きく分けてAPS-C機とフルサイズ機

一眼レフを大別する方法として、メーカーや価格帯がありますが、望遠レンズの使用頻度が高い鉄道写真という点では、イメージセンサーの違いでAPS-Cセンサーと35mmフルサイズセンサーで大別することができます。

スマートフォンに搭載されている1/2.3型に比べると、APS-Cセンサーで約13倍、フルサイズセンサーで約30倍となります。

このイメージセンサーは、写真の切り取り方に大きく影響を与えます。

同じ200mmの望遠レンズを使用した場合、APS-Cセンサー搭載機では35mmフルサイズ機の300mm相当の画角となります。

望遠撮影の多い鉄道写真では一見有利に見えるAPS-C機ですが、フルサイズ機で300mmで撮ったそれよりはノイズなどでデメリットも存在します。

予算とスペックという面では、初めての一眼レフ購入でしたらAPS-C機の費用対効果が大きいでしょう。

背景ボケを楽しみたい方、大きく引き伸ばして印刷する機会がある方、ご予算が許す方にはフルサイズ機+高価な望遠レンズがおすすめで、費用面の課題を超えてフルサイズ機へ買い換えた方の満足度も高いです。

一長一短ですので、合わせて検討したいですね。

それ以外の鉄道写真で参考にすべきスペック

大きなカテゴリーとしては先述の倍率・メーカーがあるものの、具体的な型番を絞る場合は下記の数値を見ておくと編成撮りに役立ちます。

鉄道の編成写真で嬉しいスペック

連写性能:毎秒何コマ撮れるかは、それだけ綺麗に収まる可能性が上がります。

AFポイント数:どこにピントを合わせるかを細かく調整できると精度が上がります。

画素数:いかに細かい描写を記録出来るか。詳しくは後述

ISO感度:高い数値に対応している=暗いところで撮影できます(綺麗には写せない)

カメラ技術の進展により、画素数が高いカメラ=いいカメラという印象を持ちがちですが、これは半分正解で半分間違いです。

画素数はいかに細かい描写を記録出来るか、という数値です。

画素数が高いということは、一画素あたりの光を受ける量は小さくなり、感度が落ちてしまいます。

先述のフルサイズ機≠高スペックということと同様に、画素数が高い=いいカメラではありません。

画素数が高い=細かい描写を出来るということは、レンズの解像度が耐えられなかったり、被写体のブレや手ブレの影響も受けてしまいます。

連写性能やオートフォーカスについてはスペックが高い=良い性能と言えますが、画素数やセンサーについてはスペックが高い=良いカメラではありませんので、自分の求めるものをしっかり考える必要があります。

また、ISO感度は上げれば上げるほど画質を落としてしまいますので、ISO5桁の写真が使い物になるかと言えば別問題となります。

メーカーによっても個性がさまざま

各社の様々なグレードでメリット・デメリットがあるほか、同等レベルの機材でも写真の色合いなどに各社の個性が存在します。

当サイトでは編成写真を主に嗜んでいる撮り鉄さん向けに紹介していますが、風景写真やスナップ写真などではまた特徴も変わってきます。

カメラ選びも撮り鉄の醍醐味の1つですので、色々検討して素敵な1台を見つけてくださいね。

カメラ専門サイトは数あれど、鉄道撮影向けのカメラ選びに適したサイトがないために執筆してみました。

こういった見方もあるよ!この機材おすすめだよ!等のレビューコメントなどもお待ちしています。

後編:おすすめ機種一覧も公開しました!

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※サムネイル画像のみ写真ACから引用

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