八高線・川越線で活躍していた209系3000番台が最後まで活躍していたカワ64編成を含めて全編成離脱となりました。
電化開業記念に新造されたこのグループの特徴を振り返るとともに、今後の活用に迫ります。
登場は八高南線の電化
八高線は、高崎駅のお隣の倉賀野駅から八王子駅までを結ぶ非電化路線として開業した路線です。
東京都内を走る最後の非電化路線でしたが、利用者の多かった八王子〜高麗川駅間が1996年に電化を実施・それとともにこの209系3000番台がデビューしました。
E501系同様、209系0番台から前面FRP部分と側面の繋ぎ目の黒いラインがなくなったことと、半自動ドアスイッチが付いたこと、4編成しか製造されなかったことなどが特徴的です。
帯色には103系譲りのウグイス色と中央・青梅線のオレンジが組み合わされ、これが後輩たちにも引き継がれることとなります。
その後は川越線電化用に旧型国電の新性能化によって産まれた珍車・103系3000番台とともに活躍をしていました。
なお、同僚である103系列については、205系の山手線引退後の転用によって205系3000番台によって置き換えられています。
少しずつ増えた川越車両センターの209系
東京臨海高速鉄道りんかい線の10両編成化の余剰車と2両の新造車によって産まれた、209系3100番台という異端な仲間も加わって、6編成体制となって八高線と川越線の輸送を支えてきました。
奇遇にも川越車両センターには後年、先輩格の209系0番台を改造した試験車“MUE-TRAIN”が加わって、川越車両センターには様々な形態の209系が見られるようになりました。
引退と今後の活用
八高線・川越線一筋で活躍をしてきたものの、自身についても山手線E235系投入の玉突きにより、三鷹車両センターの209系500番台・E231系0番台による置き換えが行われることとなり、順次離脱が進んでいました。
そのうち、カワ62編成については訓練車化改造と機器更新工事がされて、東大宮訓練センターの訓練機械の代替車として活用がされています。
老朽化が激しい川崎重工製は0番台でも優先的に解体が行われていたように、唯一の川崎重工2シート工法で生まれたカワ61編成については解体されるものと思われます。
置き換え車両も自身の同系列という点は彼らの短命さを目立たせていますね。
他車については少数編成しか存在しないことから、訓練機械になる編成以外は解体となってしまう可能性が高いものの、63,64の2編成は桐生に疎開されています。
いつの時代も少数派の形式は不運な運命を辿ることが多いですが、最近は209系1000番台など、意外な再転用があることもあります。
武蔵野線代替車両が1~2編成不足することを挙げている方もいるようで、確かに可能性は少しありそうです。
しかしながら、そもそも八高線の3000番台を2編成残存させて、その分209系500番台を武蔵野線に転用すればよかったわけで、どういった動きになるのかは引き続き注目ですね。
一方で、2両の新造車を含む3100番台については定期保全の検査が施工されているのでもう少し活躍が見られそうです。
コメント
ここ連日執筆お疲れ様です。
廃車発生品は、おそらくですが、訓練機械用に、残されると良いのですが…
ここまで一線のみで活躍することは、あまり無いので、それも、すごいことだと思います。