【“廃車回送”着々と】基本編成4本目!E217系Y-43編成が長野へ配給輸送

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2021年1月に最初の動きが発生して以来、E217系の長野への廃車目的の輸送が続けられています。

4月7日には鎌倉車両センター所属のY-43編成がEF64 1032号機の牽引により長野総合車両センターまで配給輸送されています。

E235系1000番台投入とE217系の世代交代

横須賀線・総武線快速電車を中心に活躍するE217系は機器更新工事こそ施工しているものの、労働組合などからも度々指摘があるように老朽化が深刻となっていました。

代替車となるE235系1000番台は2018年9月に正式発表ののち、2020年より落成した編成が順次鎌倉車両センターへ輸送されていました。営業運転は当初は同年秋とされていたものの、12月21日より開始されています。

2020年3月ダイヤ改正時点で基本編成と付属編成のペアが固定される01S~15Sの8運用が用意されて同数のE235系がデビューしたほか、2021年3月改正ではE235系固定運用が新設・共通運用の数も拡大しています。

置き換えられたE217系は各地へ疎開する動きもありつつ、2021年1月より相次いで長野総合車両センターへ廃車解体のため配給輸送(いわゆる廃車回送)が実施されています。

E217系は中央本線の狭小トンネルの走行を考慮したパンタグラフではないため、基本編成は単独11両・付属編成は2編成併結の8両でそれぞれ長岡車両センターのEF64形による牽引で実施されています。

これらの動きのうち、基本編成では検査順序の都合から後期車から引退・次の検査が指定保全(従来の重要部検査)の初期車は検査を実施する動きとなっています。

なお、E217系の置き換え開始前にはジャカルタでE217系投入を検討しているとみられる施設限界の確認試験のような動きもみられ、ホームページ内でもE217系のグリーン車がイメージ画像で使用されるなど導入を示唆する動きこそありましたが、インドネシア側の都合により見送りまたは計画未定となっていることが想像できる状態です(過去記事)。

E235系製造とE217系解体が不釣り合い

記事公開日となる4月7日時点では、E235系1000番台は基本11両のF編成が9本・付属4両のJ編成が10本落成済となっています。

E235系はE217系と同編成の投入計画となっており、単純に考えれば同数程度の廃車が進行していても不思議ではありません。

しかしながら、今回の輸送時点では基本11両が4編成・付属4両も4編成のみに留まっており、2021年3月改正で他形式の廃車予定車両(185系・209系・215系)が多く発生することを考えると、少し遅いペースという印象が拭えません。

先述のように、E217系では検査の都合で車齢と反する廃車順序となっています。

一連の疎開の動きでは、検査を待つ車両はなるべく延命・廃車順序となっている車両をギリギリまで使用……などのバランスを考慮して選定されているものとみられており、疎開対象・疎開場所と廃車順序の因果が必ずしもないことが動向が読みにくくしています。

E235系が営業運転を開始してからしばらくは東京総合車両センター田町センター(品川駅の留置線)・幕張車両センター・国府津車両センターが活用されていましたが、ダイヤ改正以降の疎開場所には幕張車両センターが減らされ、新たに横須賀駅・湯河原駅の側線が活用されています。

以上のような検査都合なのか、長野総合車両センターの収容・解体能力を加味した調整なのか、まだ海外譲渡の計画が残されているのか、はたまた今後の房総方面の209系の淘汰に関連して総武線快速電車の直通運用を拡大させるために当初発表より増投入となるのか……。

E235系1000番台の製造途上で電気連結器設置の一部省略などの変化も生まれており、今後の展開が気になるところです。

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