【リゾートみのり】陸羽東線気動車JT 6/30運転終了へ・11年の活躍

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陸羽東線〜東北本線直通・仙台駅〜新庄駅を中心に、東北地区で幅広い活躍をしてきたキハ48形改造のジョイフルトレイン“リゾートみのり”。

以前より引退の噂があったこの車両ですが、2020年6月28日の運転を以ってその歴史に幕を下ろす形となります。

11年の活躍

リゾートみのり号は、2008年10月に営業運転を開始した、キハ40系列の片運転台車両=キハ48形3両を改造したジョイフルトレインです。

東北本線から陸羽本線に直通し、仙台駅から鳴子温泉駅を経由して新庄駅まで結ぶ臨時快速列車として運行されました。

“リゾートしらかみ”や“きらきらみちのく”で好評だった側面を大きくくり抜いた窓への改造を継承し、外観としては伊達政宗の冑(かぶと)をイメージしたアンティークゴールドの塗装が目を惹きます。

E655系“和”に似た高級感ある外観塗装となっており、キハ40系列改造の観光列車のなかでも特にカッコいいデザインでファンが多い列車です。

内装としては、紅葉の名所として知られる鳴子峡をはじめとする風光明媚な車窓が楽しめるほか、シートピッチ1,200mmと広めになっていてモケットについても紅葉をモチーフとした色合い、アテンダントによる観光案内・車内販売と充実した環境で人気の列車となっていました。

既に告知されていた“伊豆クレイル”・“リゾートうみねこ”に続き、JR東日本グループで運転されている「のってたのしい列車」は6月に相次いで運転終了となります。

キハ40系列の強み!珍編成での活躍も

←仙台新庄→
1号車2号車3号車
キハ48 550キハ48 549キハ48 546
展望ラウンジイベントスペース展望ラウンジ

基本的には3両編成での活躍ですが、11年の長い歴史の間にはイレギュラー編成が何度も設定されていました。

まず、普段は中間に挟まっている原型顔の先頭車を生かした2両編成での運行があります。

最近では車両故障も時折発生しており、両端車両の故障時などにこの原型先頭車を先頭とした2両編成で運行されることもありました。

通常のみのり号を1号車・3号車に短縮(サムネイルの組成)とする変更も多く、こちらは2号車が欠番となっています。

日によって異なる欠車こそ発生しているものの、1,3号車は展望スペースとして・2号車はイベントスペースとしてフリースペースが同じくらいの広さで設定されており、座席定員も34名・36名と近づける設計となっていたことが役立っています。

また、小牛田ベースで活躍する同僚・“びゅうコースター風っこ”とのペアも時折設定されました。

改造先頭車は非貫通ですので、1,2号車に風っこをつなげた4両編成で陸羽東線などを運行のほか、他線区では風っこ+みのり2号車の編成で運行した例もあります。

極めつけとしては、みのり2号車+風っこ+通常のキハ40形+風っこの4両編成での臨時回送列車などもありました。

こういった柔軟な編成組成は、キハ40系列を含めた国鉄型気動車の汎用性の高さを感じさせられますね。

実は2代目⁉︎陸羽東線のイベント列車

リゾートみのり号は11年という長寿のジョイフルトレインとして大きな成果を残してきました。

しかしながら、リゾートみのりには1年だけ同様の活躍をした先輩が存在していました。

この写真の“おもいで”は、小牛田に残存していたキハ58・キハ28のうち、座席改装車を往年の修学旅行色に塗装変更した車両です。

当時はキハ58系列の終焉が近い時期で、国内各地で国鉄急行色のリバイバルが行われていました。

似た配色ながら異彩を放つ車両として、当時の東北地区では大きく注目された編成です。

この車両は現在の“リゾートみのり”の先駆けとして仙台駅〜新庄駅直通列車として登場したものの、元々経年車で淘汰が進められていたキハ58形・キハ28形を塗り替えただけのあくまで試金石的な存在。

わずか1年で本命のキハ48形の改造が終了したため、“リゾートみのり”登場とともに運転終了となっています。

1年という短すぎる活躍でしたが、キハ58形の2エンジンという高出力を買われ、新潟で残存していたキハ58形と“びゅうコースター風っこ”との4両編成で「風っこ仙山もみじ号」といった珍編成を組んだ経歴も有しています。

後継車両は未発表なものの……

現在のところ、リゾートみのりの代替となる車両・列車については明らかにされていません。

まず思いつくのは、他線区で人気のハイブリッド気動車でしょうか。

観光列車用のHB-E300系は青森・秋田・新潟・長野と各地で幅広く運用されているほか、小牛田運輸区で所有しているHB-E210系と互換性が高い車両です。

車両の新製となれば経営計画などのどこかで話題になっていそうですが、現時点でHB-E300系追加投入についての公式情報はありません。

また、キハ110系列の改造についても考えられます。

新潟地区では、今回の2020年3月改正でGV-E400系の投入が完了しています。

これによりキハ40系列の淘汰がされていますが、多めに置き換えてキハ110・キハE120を只見線に転用するなどの動きが発生しています(関連記事)。

こちらについても陸羽東線の使用形式ですので、小牛田運輸区にとっては親和性は高い車両です。

新造・改造のいずれとしても、後継車両なら7月にデビューしたいところかと思いますが、現時点では目立った動きはありません。

東日本大震災から9年。東北復興が少しずつ進むなか、仙台・八戸を起点とする看板列車の相次ぐ引退は少し意外なものとなります。

水面下で既に動いているのか、みのり同様に紅葉シーズンにデビューさせることで注目を狙うのか、それとも陸羽東線向けの後継列車は登場しないのか。

今後の動向が気になるところですね。

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コメント

  1. いち中央線沿線民 より:

    昔東北本線に貨物列車の撮影に行った際、偶然首都圏でお披露目展示会用に
    ED75けん引で送り込み回送される姿を見かけたのが最初で最後でした。
    キハ40系列の淘汰が急速に進行中なので致し方無いところではありますね。
    譲渡先で今も元気に活躍してるキハ58改造の旧こがねみたいに海外譲渡でしょうか?