2020年3月14日のダイヤ改正で各社で大きな変化がありますが、西武鉄道でも大きな動きが行われます。
ファン人気な高い2形式が池袋口から撤退するほか、新桜台駅停車列車の変化が注目されています。
池袋線系統は“Laview”に統一
2019年3月に登場した001系“Laview”ですが、当初計画通り1年間で池袋線の“ニューレッドアロー”の代替が完了します。
西武新宿線では引き続き運用されるので、形式消滅とはならないものの、主力であった池袋〜西武秩父駅間での活躍が見納めとなります。
これに際し、現在ラストランヘッドマークが貼り付けられています。
現在は見納めになったレッドアロークラシックとの2色がデザインされており、サイズも大きくかなり印象的ですね。
既に多くの方が10000系NRAの乗車・撮影をされているかと思いますが、ヘッドマーク取り付けと新たな話題が加わりました。
長年の歴史!4000系の乗り入れ終了
西武池袋線では、土休日に池袋駅から秩父鉄道の三峰口駅・長瀞駅への直通列車を運行していましたが、これが飯能駅発着へ短縮となります。
1989年のダイヤ改正で登場以来、長年に渡り運行されていた秩父鉄道直通列車。
101系運用撤退以降、秩父鉄道ATSを搭載している車両が4000系のみとなっていたため、専属運用となっていました。
2扉・クロスシートの内装で池袋駅に堂々と乗り入れてくる姿は、池袋線ユーザーにとっては見慣れたもので、4000系の象徴的な運用となっていました。
現在では下り列車2本は快速急行にて、上り列車2本が急行にて運転されています。
長年往復ともに最速達の快速急行として運行されていたため、2013年3月改正(地下鉄直通の快速急行運行開始)で上り列車が急行化された現在でも方向幕が対応しておらず、側面については急行の単独幕(行先表示)という珍しい形態となっていました(方向幕の交換は2008年ごろ)。
西武鉄道では、主要駅へのホームドア設置の動きが続いていますので、これへの対応が大きな背景として考えられます。
ただし、4000系改造の“52席の至福”の乗り入れについては対応しているようですので、こちらについては当面安泰となりそうです。
S-TRAINにもテコ入れ
夕方の下り便について、終着駅が小手指駅に延長されます。また、停車駅に練馬駅が加わります。
練馬駅については元々運転停車がされていましたので、ダイヤに与える影響は最小限のものとなりますが、小手指駅への延長は頑張ったな……という印象です。
相変わらず飯能駅方面へは乗り換えが必須となりますが、これは特急との差別化・需要を考えると妥当なところでしょうか。
新桜台駅に通過列車が設定
このほか、ダイヤ・利用者目線での大きなニュースの1つに、新桜台駅の快速急行通過化があります。
現在は西武池袋線から西武有楽町線を通って東京メトロに乗り入れる優等列車として、S-TRAINやFライナーなどの速達性の高い列車があります。
開業時の西武有楽町線では通過列車の運転を想定していなかったため、現在までFライナーとなる快速急行も含めて全列車停車が実施されてきました。
有料のS-TRAIN運転開始にあわせて保安装置の改修が行われ、新桜台駅の通過自体は可能になったものの、快速急行の停車は維持されてきました。
しかしながら、今回のダイヤ改正で快速急行の通過化が行われます。
停車本数確保の意図があったのかと思いますが、今回改正で東京メトロ有楽町線の増発にあわせた西武線直通の増発により、新桜台駅の本数を確保できるようになります。
そのため、利便性を損なわずに速達化が出来ることから、こちらに軍配が上がったものと考えられます。
なお、小竹向原駅での乗務員交代・練馬駅での保安装置切り替えは継続するため、依然として練馬駅停車する快速急行……という体制が継続されます。
練馬駅を通過化するには保安装置切り替えを小竹向原駅に移す必要がありますが、緩急接続もありますので現実的ではないでしょう。
ダイヤ改正に前後して他社の新車も乗り入れ
現在、東京メトロでは7000系の置き換え用に開発された17000系が落成しているものの、試運転段階となっています。
彼らのデビューはもう少し先となりそうですが、今後の試運転・乗務員訓練がファンの楽しみの1つとなりそうですね。
また、東急電鉄では、元住吉事故代替となる5178Fがやっとデビューしており、内装が2020系タイプとなっていて注目を集めています。
西武鉄道に乗り入れてくる5000系・5050系では最新の車両となりますので、直通列車の変化も注目ですね。
新宿線の動きは小規模だが……
一方、新宿線系統の動きは今年も小規模なものとなりました。
ファン目線では快速急行復活が嬉しい改正となりますね。
1990年代に登場した西武新宿線の快速急行ですが、2012年に廃止となっています。
拝島快速が新設・短期間で廃止となるなど、西武新宿線の列車種別については試行錯誤が続いている印象です。
今回の快速急行も2列車に留まっており、今後の運転の試金石……といったところでしょうか。
ファン予想では以前より、新宿線系統は特急運行を取りやめたいのでは……?とも言われていますので、今後大きな輸送体系の変化があるかもしれませんね。
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画像元ツイート紹介
今回の画像は、10000系ニューレッドアローの引退ヘッドマーク車と4000系の秩父鉄道直通列車の並びを捉えた、線オニさま(@densya_tamanegi)から許可を頂いて掲載しています。
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