JR線との直通運転が連日大きな話題となるなか、東急電鉄と相模鉄道の直通運転開始に向け、東急3000系の直通改造工事と思われる総合車両製作所への入場が始まり、甲種輸送で話題を集めました。
東急3000系の今後とともに、気になる6000系のデハ6301,6302の今後を考えます。
東急の既存車の改造メニューはどうなる?
相鉄直通での改造では、保安装置関連の改造工事が主になってきます。
その上で、8両編成化に対応した何らかの準備工事を行うと考えられるでしょう。
車齢が若い5080系10編成は無難に増結と予想できるところですが、やはり気になるのは3000系13編成の今後です。
そもそも3000系自体は目黒線系統の直通他社局同様、8両化を強く意識した設計となっており、登場経緯こそ異なるものの、量産先行車が8両で東横線暫定運用した実績があります。
その後の6両編成として量産される際にいわゆるM-Tユニットが登場しています。
当初の設計構想通りにするならば、現行のデハ3400形・サハ3500形をいわゆるM-M’ユニットに改造可能な構成としています。
8両編成化時には補機を搭載しない付随車2両の連結……となれば計画通りです。
しかし、車齢からしても、やけに世代が異なる中間車を大量増備するのは長期的にみて良くないことは明らかです。
一方で、相鉄直通開始時点までに2020系や増結用中間車を300両近く製造する東急。3000系を同時に置き換える(9000系の玉突き廃車)のが難しい事情も垣間見れます。
新路線のフラッグシップとして3編成だけのために3020系を起こしたと考えるよりは、3000系にとりあえず3020系2両を組み込んで、ゆくゆくの置き換え……というのも十分考えられます。
3020系にM-Tユニットが存在しないために一筋縄ではいかないほか、3000系の編成数が奇数なので3000系8両と混結8両に組み替えることも難しいですね。
そもそも数年のための組み込み改造にお金を使うのももったいないから、8両化・直通機器設置をする以上、当面は3000系を使い続けることにしたのでは?という見方もできます。
3020系の運用入りが出来れば予備車の確保は出来ますので、2000系同様に機器更新などの大規模なメニューを考えているのか、先述のような形式跨ぎの派手な組み替え劇となるのか。
以上のように何パターンも考えられる増結方法。
整理すると、可能性がゼロではないものは下記の通りとなります。
①基本設計通りの組み込み→現デハ3400,サハ3500の床下機器改造
②基本設計とは異なるM-Tユニット新造
③将来的に3020系への置き換えを加味した動き
④8両化を前に床下機器構成を更新がてら一新
どういった動きになるかは不明ですが、ATO装置の追設などメニューが多かった5050系同様に総合車両への入場をしたことから、直通機器増設だけではない何らかの改造が施されると考えられるでしょう。
東急が頭を悩ませているのか、東急の車両史に習って(?)今回も先を見据えていないのか、ファンでも様々な憶測が入り混じっています。
デハ6301,6302は5080系に編入か?
今回、3008Fとともに甲種輸送された6000系のデハ6301,6302は、大井町線急行の7両化に合わせて増備を行なったデハ6301〜6306の6両のうち、6101F,6102Fに組み込まれていた2両です。
大井町線へのQ SEAT組み込みについて、当初は6020系2編成には新造車組み込み・予備車確保のために6000系1両を改造する方向で検討していたことが商業誌により明らかになっていました。
しかし、実際には新造の2両により代替されており、これによりわずか2年程度で余剰車となってしまったのが彼ら2両です。
ドア上のディスプレイ周りなど、部品単位で5000系6扉車の廃車発生品が使われている異端車でした。
今回の入場動機ですが、田園都市線5000系列には組み替えの動きがないため、東横線か目黒線のいずれかに転用されるとみて差し支えないでしょう。
今までは目黒線に組み込むという見方が強かったこの余剰車ですが、4111Fとするための増結用中間車が登場しており、相鉄直通に向けて東横線系統にも動きが出てくる可能性を捨てきれなくなりました。
ただし、6000系の走行機器は5080系をベースとしているため、改造の手間を考えると2022年上半期まで使わない5080系増結車になるのが一番自然でしょうか。
いずれにせよ、現在の5080系では17インチワイドディスプレイへの更新も行われているようですので、6000系譲りのクセはそこまで強く出ない車両となりそうですね。
いよいよ本格化した相鉄直通と8両化。
5000系列だけでは済まない波乱の組み替え劇が幕をあけそうです。
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今回の画像は、フォロワーのういんぐ様(@wing8701)からお借りしています。
この場を借りてお礼申し上げます。
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